2013 Fiscal Year Annual Research Report
低電力損失ダイヤモンドデバイスの基幹を成す表面界面制御に関する研究
Project/Area Number |
12F02818
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
寺地 徳之 独立行政法人物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, 主任研究員
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FIORI A.j. 独立行政法人物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, 外国人特別研究員
|
Keywords | ダイヤモンド / ホウ素ドープ / 低電力損失デバイス / 高温動作 / 表面・界面制御 |
Research Abstract |
昨年度は、新設装置でホウ素ドープダイヤモンド結晶を合成し, デバイス作製から評価までの一貫したプロセス構築を行った。また、本課題の基幹となる界面安定化に関する研究を、安定化に優れた材料群を組み合わせることで、高いレベルで制御することに成功した。詳細を以下に述べる。 市販されている装置では商品質ダイヤモンド結晶合成が難しく、一方でキャリヤの界面輸送にかかわる物理機構解明には高品質ダイヤモンド結晶の利用が不可欠である。そこでリスクは高いが、高品質ダイヤモンド結晶合成用装置の開発から、本プロジェクトを開始した。新設計装置は当初、順調に動作したが、次第に装置設計の不良に伴う故障が発生し、昨年度においては予期せぬ数度の装置改良を行う必要がでた。しかしながら、数度のトラブルは年度前半でほぼ解決することが出来、年度後半はデバイスプロセスと物性評価に移行できた。 この高品質結晶に対して耐熱性と機械的強度に優れた炭化タングステンを電極金属に用いてダイヤモンドショットキーダイオードを作製し、耐熱特性を詳細に調べた。その結果、金属蒸着直後に比べて、真空中での600K熱処理によりダイオード特性が改善すること、及びショットキー障壁高さが低下することを見出した。一方で, 700K以上ではダイオード特性劣化することが分かった。更に、高温でのキャリヤ輸送機構を評価するためには寄生抵抗を下げる必要があり、縦型デバイス構造を採用することで、この問題を解決できる見通しを立てた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採用した炭化タングステン電極が高温特性に優れる事、及び安定動作温度領域を見極める事が出来た。これらは高温動作時の界面輸送特性評価に不可欠な要素である。また、界面作製プロセスを構築できた事から、ダイヤモンド表面終端種依存性等、様々な比較を今後行うための準備が整ったと評価できる。加えて、その一部を昨年度中に実施できたことが、その理由として挙げられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度であるため、構築したデバイス作製プロセスを駆使し、高温特性や高耐圧特性等、様々な界面評価を順次実施することを計画している。
|
Research Products
(8 results)