2014 Fiscal Year Annual Research Report
パラボド目における底棲性鞭毛虫の多様性及び魚介類寄生虫の進化的起源の解明
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12J00007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 奏太 筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | キネトプラスチダ類 / 魚介類寄生性鞭毛虫 / 寄生性生活様式の獲得経緯 / EST解析 / 大規模分子系統解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの成果として、キネトプラスチダ類パラボド目に属する寄生性鞭毛虫Trypanoplasma borreli(魚介類住血虫)に加え、マボヤの「被嚢軟化症」原因寄生虫であり、Hirose et al. Dis. Aquat. Organ., 97(3):227-235, 2012にてパラボド目との近縁性が示唆されたAzuminobodo hoyamushiそれぞれの大量培養を行い、Illumina Hi-seq 2000によるシーケンシングから大量のトランスクリプトームデータを得た。最終年度であるH26年度では、まず上記トランスクリプトームデータのアセンブリを行った。アセンブリ後、先行研究(Deschamps et al. Mol. Biol. Evol. 28(1):53-58. 2011)を参考に、リボソームタンパク質遺伝子など系統間で保存的な遺伝子の網羅的探索を行うことで、計43遺伝子データの取得に成功した。それぞれの遺伝子について、自由生活性鞭毛虫を含むキネトプラスチド類12種より遺伝子アライメントを構築し、計6,842アミノ酸座位からなる大規模分子系統解析用データセットを作成した。このデータセットに基づく分子系統解析により、キネトプラスチダ類内部の系統関係およびT. borreliおよびA. hoyamushiの系統的位置を頑健に推測することに成功した。最終的に、T. borreliおよびA. hoyamushiはそれぞれパラボド目、ネオボド目という異なる系統に属し、これらの寄生種への進化が独立に起こったことが示された。さらに、T. borreliがパラボド目内部の底棲性自由生活虫であるProcryptobia solokiniに最も近縁であったのに対し、A. hoyamushiは宿主であるマボヤに同じく共生するCruzella marinaに最も近縁であることも示され、両者の寄生性獲得経緯に違いがあることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)