2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00029
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉田 征彦 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | インフルエンザウイルス / 電子顕微鏡法 |
Research Abstract |
インフルエンザウイルスのゲノムRNA (vRNA)は8本に分節化している。それぞれのvRNA分節は核蛋白質(NP)およびヘテロ3量体(PA、PBおよびPB2)のポリメラーゼと共に、vRNAの転写・複製を担うリボ核酸蛋白質複合体(RNP)を形成する。ポリメラーゼは、棒状のRNPの一端に局在することが生化学的解析および電子顕微鏡法により明らかにされている(Honda et al.,1987年 ; Murti et al., 1988 ; Arranz et al., 2012 ; Moeller et al., 2012)。感染細胞核内で形成された8種類のRNPは核外輸送されたのち、Rab11陽性リサイクリングエンドソーム依存的に細胞膜直下まで輸送され、出芽ウイルス粒子の先端から吊り下げられる様に8本1セットずつ規則的に取り込まれる(Eisfeld et al., 2011 ; Momose et al., 2011 ; Noda et al., 2006, 2012)。しかし、ウイルス粒子中に8種類のRNPがどのように配置しているか、またRNPがどのようにして細胞内で輸送されるかなど、RNPのウイルス粒子内への取込み機構には不明な点が多い。そこで本研究では、ウイルス感染細胞質内でRNPがどのような形態でRab11陽性エンドソーム依存的に輸送されるかを明らかにすることを目的とした。蛍光抗体法でウイルス感染細胞内のRNPとRab11を共染色し、さらに同視野を電子顕微鏡観察する手法である光一電子相関電子顕微鏡法を用いて、その微細形態を解析した。また、電子線トモグラフィー法を用いて、RNPの結合するリサイクリングエンドソームの三次元構造を解析した。その結果、RNPは棒状構造の一端でリサイクリングエンドソーム膜に結合し、無数のRNPが放射状にエンドソーム周囲に配置されるという新たなRNP輸送機構が明らかになった。また、ウイルス粒子へのRNP取込みに重要であるウイルス膜たんぱく質がリサイクリングエンドソームには局在せず、膜たんぱく質を欠損させてもRNPのエンドソームへの局在に変化がなかったことから、RNPは膜たんぱく質非依存的にエンドソーム膜に結合することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験手法については当初の研究計画から変更を行ったものの、「RNPがウイルス粒子内に取込まれるメカニズムを明らかにする」という研究目的に沿って着実に研究成果を得られ、研究成果を学術論文として国際学術雑誌に掲載、国際学会での二度の口頭発表を行うことが出来た。また、残りの研究成果も学術論文として投稿予定であることから、当初の研究の目的は達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で得られた研究成果を学術論文として纏め、国際学術雑誌を通して広く公表し、学術の発展に資することが重要と考えられる。
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Research Products
(4 results)