2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋収縮時における脂質排出機構の検討と筋収縮由来生理活性脂質の探索
Project/Area Number |
12J00173
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
古市 泰郎 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 骨格筋 / 筋収縮 / 脂質 / 分泌 / カルニチン |
Research Abstract |
骨格筋内に蓄積した脂質はインスリン抵抗性の原因の1つである。細胞内の脂質を減らすためには運動によってその消費を増大させることが必要であるが、それとは別に、細胞は悪性脂質を排出する機構を有する可能性が示唆されてきた。本年度はまず、生体外における培養骨格筋細胞の収縮システムを確立し、脂質分泌を検出するための実験モデルの構築を試みた。電気刺激条件と培養条件の検討を行い、細胞内の代謝センサーであるAMPキナーゼのリン酸化が増加し、かつ、細胞障害が生じない実験条件を決定した。今後は、この実験系を用いて収縮によって分泌される脂質様物質の探索を行う予定である。一方で、動物骨格筋組織を用いて、カルニチンを中心とした筋のエネルギー代謝フローに関わる分子の組織内分布を検証した。カルニチンはミトコンドリア内に蓄積した不要な基質を細胞外に排出するキャリアとして働き、その機能は骨格筋細胞の円滑なエネルギー代謝に寄与する。質量分析によって骨格筋組織内のカルニチンの分子種の定量と可視化を行った結果、脂質結合型カルニチンは代謝活性に依存した局在を示し、骨格筋のエネルギー代謝との関係性が認められた。次年度は、筋収縮による影響を検討し、脂質の細胞内代謝および生体膜輸送動態について検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は分泌物探索のための培養細胞での収縮モデルの構築を計画しており、一年間でそれを達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
確立された培養細胞の実験モデルを用いて、筋収縮によって骨格筋から分泌される代謝物の探索を行う。また、初代培養細胞の収縮系モデルの確立、およびin vivo筋収縮モデルを用いた脂質代謝の可視化の研究課題についても推進させる。
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Research Products
(3 results)