Research Abstract |
今年度は,子供を始めとするユーザにとって使いやすいWeb検索を実現するためのユーザの特徴の調査,基盤技術の構築などを中心に研究を進め,その成果を複数の学会で発表した. 具体的には,まず子供のWeb検索における特徴を把握するため,子供がWeb検索を利用する際に,どのような検索意図を重要視しているのかを調査を行った.例えば,「沖縄」という検索キーワードでWeb検索を行う場合,大人にとっては「沖縄」の「ホテル」や「ツアー」という検索意図への重要度が高いと考えられる一方,子供にとってはそのような検索意図への重要度は低く,代わりに「沖縄」の「歴史」や「戦争」という検索意図の方が重要度が高い可能性がある.そこで,子供にとって重要な検索意図とはどのような特徴を持つものであるのかを明らかにするため,小中学生49名に検索意図を示すキーワードをスコア付けしてもらう実験を行ってもらった.その結果,子供にとって重要な検索意図は,Yahoo!きっずなどの子供向け検索エンジンから抽出できるようなものであること,検索意図を示すキーワードの抽象度,難易度などに依存することなどが明らかになった. その後,子供にとって重要な検索意図の調査から得られた知見に基づき,子供のWeb検索支援の基盤技術として,大量に存在する検索意図を示すキーワードの中から,子供向けのキーワードを優先的に提供する仕組みを構築した.具体的には,キーワード候補を抽出するために用いるWebサイトの種類(子供向け検索エンジン,一般向け検索エンジン,Wikipedia),キーワードの難易度,抽象度,関係する教科などを数値化することで,各キーワードの子供向け度合いをスコア化する方法を提案した.これにより,「沖縄」という検索キーワードが入力された際には,「沖縄」の「ホテル」よりも「歴史」を子供に優先的に提示することが可能になる.
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