2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00219
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩足 亮隼 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 走査トンネル分光 / 非弾性トンネル分光 / 価電子状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、表面吸着分子の価電子状態と反応性・スピン状態との相関を明らかにし、価電子状態を制御することで単分子レベルの物性制御を達成することを目的としている。当該年度は、走査トンネル顕微鏡(STM)による単分子レベルの物性評価手法を用いて、面方位の異なる銅(Cu)表面に吸着した一酸化窒素(NO)分子の価電子状態を調べ、表面構造が価電子軌道に及ぼす影響を評価した。さらに、非弾性トンネル分光によって、分子振動と価電子軌道との相関を調べた。下にその詳細を記す。 1.Cu(111)表面およびCu(001)表面上におけるNO分子の価電子軌道の直接観察 面方位の異なるCu表面にNO分子を吸着させ、低温(6 K)におけるSTM実験を行った。STMによる単分子操作と、走査トンネル分光による局所電子状態の測定を組み合わせることで、各表面上における吸着種の同定と、その価電子状態の評価を行った。特に、Cu(111)表面においては、NOは三量体を形成することで安定化することを明らかにした。これは他の表面上では報告例がなく、Cu(111)表面の3回対称性と、Cu表面上におけるNO-NO間の強い相互作用に依存した特異的な吸着種であることが示された。 2.非弾性トンネル分光による分子振動の検出と、価電子軌道との相関 非弾性トンネル分光(IETS)によって表面上の単分子の振動に関する情報を入手することができるが、その信号強度や選択則に関しては未だに完全な解釈がなされていない。当該年度におけるSTM実験にて、Cu(110)表面上およびCu(001)表面上のNO分子に対してIETSを測定し、そのスペクトルの解析を行った。STS測定によって特定したNO分子の価電子軌道の対称性を利用することで、IETSピークの振動モードを実験的に帰着した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)