2014 Fiscal Year Annual Research Report
高速AFMによる膜輸送タンパク質一分子の動的構造解析
Project/Area Number |
12J00228
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 隼人 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高速原子間力顕微鏡 / 1分子イメージング / ナノ計測 / アクアポリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高速原子間力顕微鏡(高速AFM)を用いて疾患に関与する膜輸送タンパク質1分子を直接可視化する事により、構造ダイナミクスや分子間相互作用を捉え、疾患発症の分子メカニズム解明に繋げる事が目的である。本年度の研究実績を以下に記述する。 1. ABCトランスポーター1分子の構造解析 昨年度までに構築した測定条件をもとに、ABCトランスポーターの中で唯一のイオンチャネルであり、嚢胞性線維症(CF)の原因タンパク質であるCFTRの1分子観察とその構造解析を行った。CFTRはパッチクランプ法を用いた電流計測により細胞膜中で単量体として機能する事が示唆されてきたが、構造状態に関しては依然として議論が続いていた。高速AFMによる解析の結果、可溶化状態ではほとんどが2量体で、再構成膜中ではほとんどが単量体である事が強く示唆された。これはCFTRの機能ユニットに関する議論に構造的証拠を与えるものと考えられる。 2. アクアポリン4(AQP4)の分子集合と「自己免疫疾患」初期分子過程の解明 AQP4は脳のアストロサイトで多量に発現し、自己免疫疾患である視神経脊髄炎(NMO)に関与している。そこで、NMO初期過程の分子レベルでの可視化に取り組んだ。昨年度AQP4M23のアレイ集合の可視化に成功したが、本年度はM1を観察した結果、ほとんどのAQP4-4量体が離散分布で、一部がクラスター集合している様子の撮影に成功した。そこで、それぞれにAQP4モノクロナル抗体やNMO-IgGを投与して高速AFM観察を行った結果、アレイのM23やクラスターのM1上では抗体がBivalentに結合し、抗体1分子中の2つのFabを使って、集合AQP4上を(歩くように)ダイナミックに移動している様子が観察された。これらの結果から、AQP4の集合状態が疾患発症の初期過程である抗体結合の親和性に強く関係している事が示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)