2012 Fiscal Year Annual Research Report
褐色脂肪細胞特異的分子のin vivoイメージング解析法の構築とその応用
Project/Area Number |
12J00229
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂本 智弥 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / UCP1 / 蛍光タンパク質 / プロモーター活性 / 炎症性サイトカイン / 肥満 |
Research Abstract |
I.動物個体でのUCP1プロモーター活性評価系の確立 当初の予定していた方法では目的のトランスジェニックマウスはできなかったが、UCP1 BAC cloneを用いた結果、UCP1の発現を動物個体レベルでモニターできるマウス(UCP1 BAC clone-mRFPマウス)の作製・樹立を行うことができた。レポーター遺伝子としては、当初蛍光タンパク質と、MRIにより検出できるLRPタンパク質を使用することを予定していたが、蛍光タンパク質mRFPを用いたマウスのみうまくいった。しかし、LRPは、そのレポーター遺伝子の評価をMRIで行うことが困難であることが予備検討により判明した。 II.PPAR活性化能を有する食品成分による褐色脂肪細胞誘導メカニズムの解明 UCP1 BAC clone-mRFPマウスでは、肩甲骨間に存在する褐色脂肪組織における蛍光タンパク質シグナルを検出することは成功したが、寒冷刺激やアドレナリン受容体アゴニストにより、白色脂肪組織に発生する褐色脂肪細胞をモニターすることは未だできていない。その誘導を確認できた後に食品成分や薬剤の評価を行う。 III.肥満・加齢に伴う褐色脂肪細胞の活性変化メカニズムの解明 肥満や加齢に伴い、褐色脂肪細胞が減少することが知られている。そこで、肥満や加齢により白色脂肪組織内で炎症性サイトカインが増加することに着目し、炎症性サイトカインと褐色脂肪細胞の発生について検討を行った。 検討の結果、マクロファージに由来する炎症性サイトカインtumor necrossi factor-α(TNFα)が、白色脂肪細胞におけるUCP1 promter活性化を抑制することを見出した。この成果を発表した論文は、掲載予定の論文において、EDITOHAL FOCUSで、興味深い発見だと評価されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
UCPIの発現を動物個体レベルでモニターするトランスジェニックマウスについては予定していた方法ではうまくいかず、計画に遅れが生じた。しかし、UCP1 BAC cloneを用いた方法で、目的のトランスジェニックマウスの良好なlineを樹立できた。BACcloneトランスジェニックマウスで計画に添って実験を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
UCP1 BAC cloneを用いて作製したトランスジェニックマウスを用いて、白色脂肪組織におけるUCP1 promoter活性化を蛍光タンパク質のシグナルで検出する条件を検討する。その後に、食品成分や薬剤による誘導を検討する。また、このトランスジェニックマウスを用いて、肥満状態の脂肪組織で起こる、炎症と褐色脂肪細胞の発現について、このトランスジェニックマウスを用いて検討を行う。
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Research Products
(8 results)