Research Abstract |
本研究は,アドホックネットワークにおいて,効率的なTop-k検索手法を提案することを目的としている.本研究では,複製配置およびルーティングにより,オーバヘッドおよび遅延を削減しつつ,高取得精度を達成するTop-k検索を提案した. まず,ルーティングにおいて,Top-k検索では,スコアが高い(つまり,関連が大きい)データを保持する端末にのみアクセスすることが重要となる.しかし,端末が移動するアドホックネットワークでは,静的なルーティング手法では,必要なデータにアクセスすることができない.そこで,Top-k検索の実行時に,アクセスできない端末がいた場合に,他の経路を探すことにより精度の維持を行う.また,他の端末が送信したメッセージを傍受することにより,自身が検索に関係ない場合にもおいても,ルーティングテーブルの更新を行う. 次に,複製配置は,各端末が他の端末が保持するデータを複製として配置し,データの可用性を向上させることができる.本研究では,Top-k検索のための理想的な複製配置を行うことを目的とし,データのアクセス頻度と隣接端末数に応じて,複製の配置率を決定する.さらに,Top-k検索手法では,順位が近いデータは同時にアクセスされる可能性が高いため,順位が近いデータをまとめて,複製として保持することを行う.また,各端末が複製を保持している場合,付近の端末のみを検索すれば,必要なデータを取得できる可能性が高い.そこで,検索範囲をじょじょに広げながら,検索を行う方法の提案も行った.複製配置により,検索範囲を限定的にできるため,検索結果を低オーバヘッドおよび低遅延で取得できることが可能である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,研究を進めていく上で,まず国際会議への投稿が重要となる.論文の執筆および推敲を行い,レベルの高い会議に通すことを目標とする.その後,複製配置とルーティングを組み合わせた方法について検討し,論文投稿を行う予定である.
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