2012 Fiscal Year Annual Research Report
皮質繊維層in vivoカルシウムイメージングによる注意行動制御機構の解明
Project/Area Number |
12J00301
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒木 暁 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Yellow Cameleon 2.60 / netrin-G1 / Wide-field imaging / Calcium imaging |
Research Abstract |
(1)視床選択的netrin-G1コンディショナルノックアウトマウスの作製とその行動実験バッテリーテスト 視床一皮質投射に発現するnetrin-G1の行動学的機能を解析する。netrin-G1を視床領域選択的にノックアウトするマウス(ntng1・cKO)を作製し、行動実験バッテリーにより知覚、不安性、運動機能、注意などの観点で、その能力を評価している。視床選択的なCreの発現は、pkcd(Protein kinase C, delta)プロモーター領域下でCre遺伝子を発現させることで実現した(図1)。行動実験は、GapCrossing, Rota-rod, Open field, Prepulse inhibitionなどである。Gap Crossing, Hang wire testで有意差が見られる。 (2)大脳皮質表層において経頭蓋広域カルシウムイメージングを行う手法を開発 視床・皮質投射の投射パターン、特に特定の行動時における投射パターンは不明である。皮質全体で視床・皮質投射の応答パターンを抽出するために、TetまたはCre/LoxPシステム依存的にカルシウム感受性タンパク質Yellow Cameleon 2.60を発現するトランスジェニックマウス(TRE-YC2.60, LoxP-Stop-LoxP(LSL)-YC2.60 Tg mice)と広視野顕微鏡を組み合わせた細胞腫選択的に全大脳皮質領域を観察可能な広域カルシウムイメージング手法を開発した。終脳興奮性細胞選択的(CaMKII-tTA : TRE-YC2.60, Emx1-Cre : LSL-YC2.60 double Tg(DTg)mice)、または抑制性細胞選択的(VGAT-Cre : LSL-YC2.60 DTg mice)な、自発活動及び髭刺激に対する応答の記録,カルシウムシグナル応答による脳地図作成に成功した(図2)。この超広域イメージング手法はカルシウム感受性タンパクを高発現するTgマウスの作製により初めて可能になったものであり、高い空間分解能を有し、かつ細胞種選択性を兼ね備えた手法として、高次脳機能の神経回路基盤の解析に新たな手法を提供する。さらに経頭蓋であるため、日をまたぐ継時的な観察が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究全体としては順調だが、予定通りではないという理由で(2)である。広域カルシウムイメージングという当初の予定に無かった実験が興味深いデータを出しているので、現在その実験に使う時間が多くの割合を占めている。しかし、皮質表層を全て同時に観察できるという点で、この実験方法は課題の解明にも大きく寄与する技術である.
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Strategy for Future Research Activity |
まず、経頭蓋広域カルシウムイメージング法という新しい実験方法について論文としてまとめる。 その後、netrin-G1ノックアウトマウスの形態学的、電気生理学的、組織学的な実験を行い、これをまとめる。 さらに、注意行動課題中の神経活動を観察するため、広域カルシウムイメージング及び、二光子励起カルシウムイメージング下で行う頭部固定条件による注意行動課題の開発を進める。
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Research Products
(4 results)