2013 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀西洋図像新聞紙における東アジア図像印象について
Project/Area Number |
12J00331
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
陳 其松 国際日本文化研究センター, 研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 絵入り新聞 / 図像史 / オリエンタリズム / 文化交渉 / 黄禍 / 孔子 / 視覚言説 |
Research Abstract |
本研究は、19世紀西洋図像新聞を中心に調査を行い、東アジア関係の図像とその掲載経緯を解明することによって、西洋文明が東アジア世界に対する文化的、図像的な構築を考察するものである。今年度において、2回の海外発表のほか、学術論文3本を発表した。7月5日には、台湾大学で開催された「「東亞孔子形象之建構與變遷」研討會」に参加し、「至聖先師與停滯帝國―19世紀英國報章所見孔子形象與中國論述」というテーマで研究発表を行った。本発表はイギリスの新聞紙においた記事や図像などの史料から、中国の賢者、孔子に対する西洋の視点を分析した上、孔子の形象と19世紀に盛んになった「中国停滞論」との関係について論じた。11月9日に台湾大学で開催された「國際日本研究之可能性―人文・社會・國際關係―」に参加し、「19世紀西洋報紙所見「黄禍圖」與黄禍論述」というテーマで研究発表を行った。ドイツ皇帝ウイルヘム二世が考案した「黄禍図」は、東洋を災いとして取り上げたが、世間から低い評価を受けていた。「黄禍図」が公表された直後の西洋世論を理解するには、19世紀西洋社会における「軍事的」黄禍論と「経済的」黄禍論の温度差を意識する必要がある。4月25日に韓国釜山で開催した「海港都市的社會結構特征與文化認同」国際会議で発表した「19世紀西洋新聞紙における韓国図像イメージ―Harper's Weeklyによる辛未洋擾の写真掲載を中心に」では、1871年アメリカの韓国遠征の時に初めて行われた韓国現地の写真撮影が、アメリカ大手新聞に掲載されることにより、如何にアメリカ軍の勝利を物語った視覚的言説の一部として仕込まれたかを論じた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)