2012 Fiscal Year Annual Research Report
放射線還元法を利用した無電解めっき代替技術の研究開発
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12J00512
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大久保 雄司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 放射線化学 / 無電解めっき / 還元 / 電子線 / XAFS |
Research Abstract |
無電解めっきは、危険な溶液を使用ずる工程を含み、また工程数が多く、溶液の濃度調整等が煩雑であるといった問題を抱えている。本研究では、これらの課題を解決するため、無電解めっきの代替技術として、放射線還元法^<*1>を利用した無電解めっき技術の開発を目的としている。 初年度は、足場となる担体を粒子から基板に変更し、基板上でも金属イオンが還元し析出するかどうかを調査した。金属イオン種として、4種類の金属イオン(Au,Pt,Ag,Cu)を使用し、Auイオン・Agイオン・Ptイオンは、プラスチック基板上であっても金属イオンが還元析出し、基板表面上に金属めっき膜が得られた。一方、Cuイオンのみは、プラスチック基板上で還元析出せず、Cuのめっき膜が得られなかった。おそらく、Cuイオンの酸化還元電位が他のイオンに比べて低く、析出しにくいことが考えられる。 金属イオンの還元挙動を確認する手段を確立するため、最も還元しやすいAuイオン水溶液に白色X線を照射しながら、In situ XAFS^<*2>測定を行った。XANES^<*3>スペクトルを解析すると、白色X線の照射時間が長くなるにつれて、AuイオンがAumeta1に変わることが明らかになった。In situ XAFS測定により、還元挙動を追跡・確認できたので、今後は、イオン種をCuに変え、Cuが還元するためには、どのような条件(線量と濃度の関係、照射時間、溶液のpH)等の情報を取得し、電子線でもCuが還元する条件を探索する予定である。 ^<*1>放射線還元法:金属イオン水溶液に放射線を照射し、水の放射線分解で生じた還元種により金属イオンを還元する触媒レスの還元方法 ^<*2>XAFS:X-ray Absorption Fine Structure=X線吸収微細構造 (物質にX線を照射し、その吸収スペクトルを解析する方法。XANES領域とEXAFS領域に大別される。) ^<*3>XANES:X-ray Absorption Near Edge Structure=X線吸収端近傍構造
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高エネルギーの電子線照射により、Au・Ag・Ptのめっき膜作製に成功したため。 さらに、白色X線のIn situ XAFS測定により還元過程の一部も明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Cuのめっき膜のみ得られていないため、つくばにあるPhoton Factoryにおいて、Ih situ XAFS測定を行い、Cuイオンの還元過程を明らかにし、最適な還元条件を探索する。具体的には、Cuの出発原料の種類(イオン種)、Cuイオン濃度、還元補助剤の種類、白色X線の照射時間等をパラメーターとして、Cuイオンが最も還元しやすい条件を探索し明らかにする。そして、その条件を電子線照射法に適用し、電子線でもCuを還元して、Cuのめっき膜作製を実現する。
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Research Products
(12 results)