2012 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマエッチングにおけるナノメートル層ダメージ形成の機構解明と制御
Project/Area Number |
12J00516
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 智子 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プラズマエッチング / イオンビーム |
Research Abstract |
デバイスの微細化に伴い、プラズマエッチングの際に生じる数ナノメートル程度のダメージ層の存在がデバイス特性を劣化させるものとして無視できないものとなっており、これからの微細化プロセスの開発には、エッチングメカニズムとダメージ形成のメカニズムの双方を理解して開発していく必要がある。プラズマエッチング起因するダメージは様々なものがあるが、本研究では、半導体材料であるSiおよび磁性体材料であるCoおよびFe表面に形成されるダメージ層に着目し、イオンビーム装置を用いてフラックスおよびエネルギーを制御したイオンビーム照射を行ない、エッチングイールド、反応生成物測定および表面分析を通して、イオン照射時に表面で起きている反応(主にダメージ生成に関する反応)を明らかにした。 (1)ハロゲンプラズマ照射におけるSi含んだエッチング生成物(SiClx^+)のSi表面へのダメージ ハロゲンプラズマを用いたsiエッチングの際に生じるSiを含んだエッチング生成物(SiClx)がSi表面へ与える影響を評価することを目的とし、Si表面に、SiClx^+を照射し、エッチングイールドおよび生成物測定を行った。エッチングイールド測定から、入射イオンに含まれるCl原子の数が多いほど高いイールドを示し、入射イオンに含まれるSi原子がSi表面にデポジションすることでイールドが低下することが明らかとなった。 (2)CH_3OHプラズマ照射による磁性材料のエッチング特性および酸化反応機構の解明 CH_3OHプラズマ中の活性種(特にCO^+イオン)の照射による磁性材料(Fe, CoおよびFeCoB合金)のエッチング特性と酸化膜形成メカニズムの解明を目的とし、CO^+イオンビーム照射実験を行った。その結果CH_3OHプラズマエッチングにおいて、FeCoBの膜の組成により、エッチング反応および酸化膜の形成が異なることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、イオンビーム照射による磁性体材料(Fe, Co)および半導体材料(Si)表面におけるダメージ生成について、どちらのテーマについても当初の予定に近い形でイオンビーム実験を遂行できたと言える。これらの結果は、国際会議および国内会議で公表しており、おおむね順調に研究が進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、イオンビームとプラズマエッチングにおける被エッチング材料との表面反応(特にダメージ生成に関する反応)についてのデータの取得を行ってきた。プラズマエッチングプロセスにおいて、被エッチング材料とマスク材料との選択比の向上も重要なパラメーターである。そのため、今後、マスク材料として用いられるSiN, SiO_2,およびTa等の材料に関するイオンビーム照射実験を検討し、表面反応のデータ取得を行いたい。
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Research Products
(6 results)