2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00552
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
張 琳 大阪大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 異時点間選択 / 消費 / 貯蓄 / 退職 |
Research Abstract |
この研究は、現在バイアスをもってる消費者の消費・貯蓄、退職行動を導く一般均衡の理論的なモデルの構築を目標とする。 具体的に、以下の課題がある 1)一般均衡と部分均衡モデルにおいて一般的な効用関数で分析 2)小国開放経済から世代重複モデルを導くメカニズム 3)賃金税と利子補給の厚生効果の分析 4)人口構成の異質性の導入 5)動学経路のシミュレーション 6)データとの整合性の検証 先進国の実証的事実として、貯蓄の過小性と定年退職年齢の早期化という2つの問題が報告されている。LaibsonやDiamond and Koszegiらのマクロ経済者は「現在バイアス」とよばれる時間非整合的な時間割引のモデルを用いて、これらの現象を別々に説明しようとしているが、彼らのモデルでは老後のための貯蓄が老後の労働と完全代替だと暗黙裏に仮定されているために、過小貯蓄はかならず退職年齢の遅延をもたらし、過小貯蓄と早期退職を同時に説明することができない。この点を問題視し、貯蓄の多寡とは独立に退職年齢を決定できる、より一般的なモデルを考案し、現在バイアスが過小貯蓄と早期退職をもたらしうることを初めて示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究はモデル設定と分析である。この時点で一般均衡モデルにおいて定性的に説明できるようなモデル構築を実現し、研究論文としてまとめた。 具体的には上記の研究目的のうち、(1)から(5)までを行った。 1)の内容をまとめた論文は国際学術雑誌に掲載確定せれました。2)~5)の内容について、4つの論文を書いた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、本研究課題は内生的な時間選好とそれのマクロ経済に影響の両方に進む予定である。 具体的に、以下の課題がある。 1)内生的な時間選好の形成メカニズム 2)習慣形成の導入 3)内生時間選好が経済成長に与える影響
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Research Products
(3 results)