2014 Fiscal Year Annual Research Report
感覚応答行動を制御する神経機能要素の実体を、神経回路の活動として理解する
Project/Area Number |
12J00556
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山添 萌子 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 感覚応答行動 / シミュレーション / 数理解析 / 線虫C. elegans |
Outline of Annual Research Achievements |
感覚応答行動を制御する脳・神経系の機能を明らかにするためには、まず「情報抽出」や「運動制御」といった機能要素を同定し、次にそれぞれの機能要素を制御する神経回路・細胞・分子を解明するという手段が有効である。そのためには、行動解析や遺伝子レベルの解析が容易な線虫C. elegansがシンプルなモデル系として優れている。私は、C. elegansの匂い物質2-ノナノンに対する忌避行動において複数の興味深い機能要素の存在を示した。本研究では、これら2-ノナノン忌避行動を担う機能要素を実現する神経系の働きを、分子遺伝学的および行動パターン解析等で解明する事を目指している。 私は前年度までに、匂い濃度の空間分布の継時変化を測定し、匂い濃度と忌避行動の関連を定量的に解析した。その結果、(1)「方向を試行錯誤したのち、正しい方向を選択して直進する」という新たな行動戦略を見出した(山添ら、投稿中)。また、(2)神経ペプチドおよびドーパミン伝達系がそれぞれ異なる行動側面を制御することで匂い学習が実現していることを示した(詳細は下記参照;山添ら、投稿中)。 今年度は、(2)に関してより高度な行動パターン解析およびシミュレーションを行った。これまでに、野生型では匂い学習後に「正しい方向選択的な直進時間の延長」が起ること、この匂い学習は神経ペプチドシグナル伝達系により制御されることが示唆されていた。私は、「直進時間の延長」が充分に「より遠くに逃げる」という匂い学習による忌避増強を説明するかを忌避行動コンピュータ・シミュレーションにおいて検証した。その結果、匂い忌避行動のさまざまな行動側面のうち、「直進時間」の変化のみが、忌避増強を引き起こすことが明らかになった。すなわち、匂い学習における神経ペプチド依存的な「直進時間の延長」が、忌避増強を充分に説明することが示された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)