2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00592
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
董 玉テイ 京都大学, 学術情報メディアセンター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中国語 / 母音 / 有気・無気子音 / 日本語母語話者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、日本語母語話者の中国語単母音及び有気・無気子音の習得について2回の調査を行い、それぞれの調査結果を比較することによって、学習者の習得過程における問題点を把握することを目指す。
知覚実験から、日本語母語話者にとって、中国語の6つの単母音のうち、iとaが最も正しく同定され、e、o、u、vには多少誤りがあるものの、同定成功率はかなり高かった。次に、産出実験については、中国語母語話者による知覚的評価の観点から、日本語母語話者にとってeは最も難しく、時間が経過しても全く改善されない。vの場合、初めは良くなかったが、学習の進展につれて大幅に進歩することが観察された。さらに、音響分析の観点から、中国語母語話者の中国語単母音の発音と比較すると、日本語母語話者のi、a、oの発音はほぼ中国語母語話者と同じであり、vの発音は舌の前後位置がやや後ろよりとなっており、u、eは舌の前後位置がかなり前寄りとなっていることが観察された。
有気・無気子音の知覚の面において、日本語母語話者にとって破裂子音は全く問題ないが、破擦子音の場合は少数の学習者に誤りが生じた。破裂子音の産出の面では、中国語母語話者による知覚的評価から、pa、taが問題点であること、学習の進行につれてpaは改善されたが、taは改善されなかったことが観察された。破擦子音に関しては、zi、zhi、chiの正解率がやや低い。習得が進むにつれて、ciは改善されたが、qiは逆に悪化する傾向が観察された。さらに、日本語母語話者の破裂子音と破擦子音の産出に対する音響分析の結果を統計的に見て、1回目と2回目の実験のVOT平均値の間に有意差がないことが分かった。また、日本語母語話者と中国語母語話者のVOT平均値を比較した結果、無気破裂子音・破擦子音に関して統計的な有意差は認められなかったが、有気破裂子音・破擦子音の場合は有意差が認められた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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