2014 Fiscal Year Annual Research Report
現代アメリカ合衆国におけるリテラシー教育に関する研究-C.スノーの所論を中心に-
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12J00620
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 はるか 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リテラシー / アメリカ合衆国 / 文学作品を用いた指導 / 学力保障 / 読むことの教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、現代アメリカ合衆国におけるリテラシー教育研究を多角的に分析するために、多文化教育の立場から提案された、スタンダードにもとづくカリキュラム設計の方法を検討した。 具体的には、多文化教育を専門とするスリーター, Cが批判的教育学の理念を取り込みながら提案したカリキュラム設計の方法に注目した。彼女は、多文化カリキュラムを設計するための理論的整理を行い、その成果を“Un-Standardizing Curriculum ;Multicultural Teaching in the Standards-Based Classroom-”として発表している。本書では、標準化(standardizing)された教育ではなく、スタンダードにもとづく(standard-based)教育の必要性を提起している。そこで本書を手掛かりに、スタンダードにもとづきながらも、「多文化性」を考慮したカリキュラム設計の在り方について明らかにすることをめざした。 スリーターは、カリキュラムに含まれる知識を問い直していくことの重要性を説いていた。それは単に様々な文化を追加していくというアプローチではなく、一つの文化の視点から、カリキュラム全体を問い直していくアプローチである。具体的には、ウィギンズらの「逆向き設計論」にもとづきながら、変革的知的知識(transformative intellectual knowledge)を手がかり、重大な観念(big idea)を設定してカリキュラムを編成することを提案していた。変革的知的知識とは、歴史的に抑圧されたコミュニティの知識基盤を指す。カリキュラムを編成する際には「永続的な理解」を重視するが、それと関連して、教師自身がどの社会文化的集団の知識にもとづいてその「永続的な理解」を構成しているのかを問い直すことを求めていることがわかった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)