2013 Fiscal Year Annual Research Report
輻射磁気流体シミュレーションによる星周円盤進化およびガス惑星形成過程の研究
Project/Area Number |
12J00625
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塚本 裕介 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 星形成 / 星周円盤 / SPH / 惑星形成 / MHD / オーム散逸 |
Research Abstract |
1, 円盤分裂と分裂片の内部構造進化の研究(論文1) Tsukamoto+(2013c)では円盤分裂が起きた場合にその分裂片(クランプ)がどのような軌道、内部熱進化をするかを調べた。 シミュレーションの結果から分裂で形成した直後のクランプは質量数木星質量程度で半径数AUの広がった構造をとり、クランプの内部構造は低温ではn=3, 高温ではn~4程度のポリトロープ球でよく近似できることがわかった。また、実効的な断熱指数がガスの断熱指数より小さいため、クランプは対流安定であることがわかった。クランプは円盤ガスとほぼ共回転しているためクランプへの質量降着率は大きく、クランプ形成後その質量は非常に速く増大し、多くのクランプは遠方感星の質量範囲(<10木星質量)にとどまることが極めて難しいことがわかった。 2, 非理想磁気流体スキームのSPH用の定式化とシミュレーションコードへの実装(論文2) その他の研究としてSmoothed particle hydrodynamics (SPH)法を非理想磁気流体力学に拡張するためにスキームの定式化および実装を行った。業績2ではオーム散逸の定式化を行ったが、その後、ホール効果、双極性散逸についても定式化および実装を行い、テスト計算や重力崩壊シミュレーションに成功した。SPH法で非理想磁気流体力学シミュレーションに成功したのは申請者が世界初である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は円盤分裂過程の幅射流体シミュレーションを用いた研究が主な研究計画であったが、これらは計画通りに推移した。それに加えさらに非理想効果の定式化と実装にも成功したため①とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに当初の研究計画にあった非理想輻射磁気流体力学シミュレーションコードの開発が終了した。来年度はこれを用いてダストサイズと磁気散逸率の関係などに特に注目して研究を行っていく。
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