2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00639
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田宮 寛之 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 概日時計 / プロモーター / ES細胞 / 分化誘導 / 同調性 |
Research Abstract |
各時計遺伝子のプロモーターや, アミノ酸残基の役割を確かめる為には多数の変異体を作成して個体での表現型をみる必要があるが, スループットを挙げるのは簡単ではない. もしある遺伝子をノックアウトしたES細胞に, その遺伝子の変異体を導入し, 細胞のまま概日時計を評価する事が出来るようになれば, その表現型のあるもののみを個体作成に回すことで, 多数の変異体を一度に解析できるようになる. 問題点としては, ES細胞は概日時計を持っておらず, 分化誘導をする事ではじめて発生する事が知られている. 従って, 前年度私は, この目的達成の為, ES細胞の分化誘導アッセイ系の構築を目指し, 1つのプロトコールを作成した. また, この際において, 遺伝子ターゲティングによるノックアウトレスキュー系を組み合わせる事で, 正確に同じゲノム構造を持った変異体を, 効率よくスクリーニングする事が可能になる. 従って当該年度私は, このノックアウトレスキューの為の遺伝子ターゲティングコンストラクトを作成し, リポフェクションによりターゲティングを行い, 多数のES細胞株を樹立し, それらのES細胞を分化誘導することで, 遺伝子Xの野生株とリン酸化変異体の周期差を見分けられるような実験系を構築することに成功した. 今後は変異体導入の実験を行っていき, 時計遺伝子Xの機能を解析していきたいと考えている. またこの時計遺伝子は光の強さを時計に伝える役割をしていると考えられるため, この時計遺伝子をノックアウトしたマウスにおいて, 細かく光の強さを変えたとき, これらのノックアウトマウスがどのような概日リズムの同調性を示すのかの実験を施行する為, 前年度マウスを飼育する際に光の強さを256段階に変化させる事が出来るような装置を開発したが, 当該年度はこの装置を用いて, 時計遺伝子Xの光の強さを変えた時の同調性の違いをみる実験に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ES細胞の分化誘導アッセイ系の構築を目指し, 1つのプロトコールを作成する事に成功しており, またリポフェクションを用いたターゲティングと組み合わせる事で, 概日周期差を見分ける実験系を構築することに成功しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
上記実験計画は相対振幅が上昇すれば更に実験系として精緻なものになる為, 如何に相対振幅をあげるか今後の課題がある.
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