2014 Fiscal Year Annual Research Report
親密関係の普遍性と社会依存性:社会生態学的アプローチによる検討
Project/Area Number |
12J00640
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鬼頭 美江 北海道大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 親密性 / 関係流動性 / 恋愛関係 / ソーシャルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、対人関係の性質を決定する要因として、人間自身が集合的に作り上げている社会環境の性質に着目し、対人関係の性質が生じたメカニズムを理論的かつ実証的に検討することである。今年度は、本プロジェクトにおいて実施した研究から発展した研究を2つ行った。
【研究1】新規知人と出会う機会や対人関係の組換え機会が多い高関係流動性社会で暮らす人ほど、恋人や親友に対してより強い親密性を感じていることが、一昨年度行った研究において示された。本研究では、「親密性が積極的な関係維持行動を導く感情メカニズムであるがゆえに、関係相手に逃げられる可能性が高い高関係流動性社会において適応的となる」という理論仮説を検討した。積極的な関係維持行動としてソーシャルサポート提供に着目し、カナダ人を対象に質問紙調査を行った結果、理論仮説と一貫して、恋愛関係の流動性が高い環境に置かれている人ほど、恋人に対してより強い親密性を感じており、より多くのサポート提供を行っていることが示された。
【研究2】研究1で示されたように、高関係流動性社会において、親密性を感じることでサポート提供行動が引き起こされ、関係維持が促進されるのであれば、関係相手からのサポート提供が欠如した場合には、その相手との関係を解消しやすくなるはずである。本研究では、日本人・カナダ人参加者に、友人または恋人からサポートが得られたシナリオ、およびサポートが得られなかったシナリオを提示し、それぞれのシナリオ状況における相手との関係解消意図を尋ねた。予測通り、関係解消意図は、サポートが得られた状況に比べ、得られなかった状況の方が高く、さらに友人条件では、日本よりもカナダの方が、この上昇度がより大きいことが示された。この結果は、関係組換え機会の多いカナダの方が、日本に比べ、友人関係維持のためにサポート提供が適応的となることを示唆している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)