2014 Fiscal Year Annual Research Report
大衆文化における〈イタコ〉像の形成と民俗文化の変容‐活字メディアを手掛かりとして
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12J00744
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
大道 晴香 國學院大學, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イタコ / 恐山 / マス・メディア / 表象 / 民俗文化 / 文化変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「大衆文化」領域における〈イタコ〉像の形成と、その像が「民俗文化」領域のイタコ文化に対して及ぼした影響を明らかにすることであり、本年度はこれまでの研究成果を博士論文としてまとめるにあたり、従来の調査で不十分だった箇所の補足調査を実施した。実施内容は、以下のとおりである。 1.前年度までの予備調査で得られた情報を足掛かりに、7月20日‐25日に実施される恐山大祭、ならびに10月の三連休に実施される恐山秋詣りにおいて、その参詣動向を把握するための調査を行った。これらの調査では非常に多くの収穫があり、フィールドワークで得られた成果の一部を調査報告として『神道研究集録』に発表した。本稿は、2014年度の恐山大祭・恐山秋詣りにおけるイタコの口寄せの実施状況を詳述することで、過渡に際した当地の口寄せ習俗の姿を記録しようと試みるものであり、消滅の危機に瀕したイタコ文化の現状を具に記録する点で価値を有するものであった。 2.「民俗文化」への影響を論じるに先立ち、「大衆文化」としての〈イタコ〉の流通と受容者の認識形成との影響関係を明確化しておく必要があると判断されたため、これをアンケート調査によって確認した。国立大学2校、私立大学5校、短期大学1校の計8機関で質問紙調査を実施し、698人より回答を得た。結果は論文として『國學院大學大学院紀要』に発表済みである。 3.戦後の〈イタコ〉ブームの素地を作った、恐山における大正期の「観光化」に焦点を当て、文献調査を行った。この成果については、日本宗教学会および神道宗教学会にて口頭発表を行っている。 なお、当初の計画には「八戸市在住イタコへの聞き取り調査」と「8ミリフィルムのデジタル化」が組み込まれていたが、研究の全体像を俯瞰した結果、上記2、3の事項を優先的に実施する運びとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)