2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00760
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野下 浩司 九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 理論形態学 / 形態測定学 / 多様性 / 形態空間 / 腹足類 / CT画像 / バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,腹足類殻形態の定量化手法の開発を進めた.今年度は特に殻形成の素過程である殻口辺縁部での付加成長の様式を見積もるためGrowth Vector Map(GVM)により定量化するための手法を開発した.腹足類の殻は外唇部で大きく,内唇部で小さく成長することでらせん状に巻く.殻口辺縁部でのミクロな成長の勾配の積み重ねとしてマクロな殻形態はつくられるため,殻形態の多様性の理解にはミクロな成長パタンの多様性や制御の仕組みを把握する必要がある.そこで,CTスキャナによりえられる3Dデータが利用できる場合に「巻きパタン」と「殻口形状」を測定・推定することでGVMを推定する手法を提案した.GVMはあらゆる局所的な成長パタンを記述できるが,それゆえに自由度が高く直接的な推定が難しい.本手法では,GVMを成長管モデルに従う成長に固定することで,推定を可能にした.本方法は「ミクロな成長の素過程とマクロな形態とを結びつける」上で重要な役割を果たす.局所的な成長に関する性質であるGVMを得ることができるようになったことで,形作りの上で重要な成長因子の分布との比較が半定量的に可能となる.現在,理論と実証の両面から形態情報と発生生物学的情報の比較を行っている.また,研究成果の一部を国際学会にて発表をおこなった.本研究は論文に取りまとめ現在投稿準備中である. また,本年度は海外の研究者等とも積極的に共同研究を進めた.マクロな形態とミクロな成長パタンが特定の対応関係を持つ場合の進化的な制約について解析を行った.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)