2014 Fiscal Year Annual Research Report
ユーラシア東部湖沼堆積物の精密年代決定と環境変動解析
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12J00810
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 一充 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ルミネッセンス年代 / post-IR IRSL / 残存線量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は,ルミネッセンス年代測定による年代決定の高度化と研究成果のまとめを行った.前年度行った手法(post-IR IRSL法)が他の手法に比べてどの程度年代がゼロリセットされているかを調べるために,現生の試料を用いた.本報告書ではこの調査結果について詳しく述べる. 年代値がゼロである現生の試料を様々な測定条件で測定した際に算出される年代が,各測定におけるベースとなる残存年代であり,得られた年代値から除することで正確な年代決定に繋がる.今回の測定条件では,プレヒート温度,測定前測定温度,測定温度共に,高温になるほど残存年代が大きくなる傾向があることがわかった.高温の安定したシグナルは,安定しているがゆえに年代のリセットが鈍くなるためである.また,残存年代が温度に対し非線形に増大していく傾向があるため,安定したシグナルを得ようとしてより高温の測定を試みる場合,年代のゼロリセットには特に注意する必要があることが明らかであった.この年代のゼロリセットに関する結果を前年度の余呉湖YG11-3に適用させると,それほど結果に影響を与えないことがわかった.これは,YG11-3の年代が全体として古く,また測定条件もそれほど高温ではなかったことが原因である.したがって,YG11-3でOSL, IRSL, post-IR IRSLの3つの年代値が異なる原因は,測定法間の潜在的な残存年代の違いではなく,Murray et al. (2012)の室内実験に示された露光不足による測定法間の年代のゼロリセットの程度の違いに依存していることが明らかとなった.本研究により,より広範囲の環境変動を調べる際は,現地性の環境変動・測定法間の潜在的な特徴の違いなど様々な要因を除去していくことが重要であることが示された.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)