2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00812
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
隅 智亮 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 窒化ガリウム / 結晶成長 / 気相成長 |
Research Abstract |
本研究の目的はバルク窒化ガリウム結晶成長である。バルク成長では、高速成長と長時間成長が結晶の大型化のために重要である。本研究で取り組んでいる酸化物原料を用いた窒化ガリウム結晶成長法では、副生成物がすべて気体であり、原理的に長時間の成長が可能である。 今年度は、前半では前年度末に引き続き高温反応炉の立ち上げと窒化ガリウム結晶の高速成長に取り組んだ。後半では金属Gaと水蒸気を出発原料として用いる新しい窒化ガリウム結晶の成長法の開発に取り組んだ。また、得られた成果をまとめて学会にて発表した。第5回窒化物半導体結晶成長講演会においては、発表奨励賞を受賞した。 今年度前半で取り組んだ高温成長炉の立ち上げと高速成長においては、高速成長時の多結晶の発生及び結晶性の低下を抑制することに焦点をおいた。従来は原料部分の温度を増加させることで窒化ガリウム結晶成長雰囲気中のGa_2O分圧を増加させ成長速度を増加させていたが、高速成長時には多結晶が生成してしまうことや、成長結晶の結晶性が種基板と比較して低下してしまうという問題があった。そこで、原料ラインの水素濃度を増加させることでGa_2Oの分圧を増加させることにより、Ga_2Oと水素の両方を高濃度に供給することで、成長速度の向上に取り組んだ。成長条件の最適化によって151μm/hの成長速度の結晶を得ることに成功している。 今年度の後半は、新規原料供給法の開発に取り組んだ。取り組んでいる方法では成長部においてGa_2OとNH_3を反応させ窒化ガリウム結晶の成長をさせている。従来行っていたGa_2Oガスの生成法は粉末のGa_2O_3をH_2で還元させる方法であった。この方法では長時間の連続成長の際にGa_2O_3粉末が枯渇してしまい、原料の供給が停止してしまうことが考えられる。そこで出発原料として液体のGaを用いることで、育成中の出発原料の連続供給が容易となる、新規のGa_2Oガスの生成法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大の成長速度は昨年度と比べて若干の伸びにとどまった。しかしながら、本年度後半で開発した新たな原料ガスの生成法では、従来法の原料ガス生成法と比べて長時間の成長が容易となり本手法の特色を更に活かすことが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度開発した新たな成長法では、バルク成長には成長速度が不十分であり向上させる必要がある。そのためには、原料ガスの供給量を上昇させる必要がある。しかし、原料ガスの生成時に酸化ガリウムが出発原料のGa表面を覆ってしまうため、高温にして酸化ガリウムの生成を抑制する必要がある。
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Research Products
(5 results)