2013 Fiscal Year Annual Research Report
種内多数全ゲノム解析によるピロリ菌日本株のヒト胃への適応進化機構の解明
Project/Area Number |
12J00830
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢原 耕史 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD
|
Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
|
Keywords | ゲノム / バイオインフォマティクス / 相同組み換え / ホットスポット / 集団ゲノミクス / 病原細菌 / 自然淘汰 / 進化 |
Research Abstract |
まず、ピロリ菌の地理的な集団構造と、集団の垣根を越えた相同組み換えによる遺伝情報のフローを明らかにする研究を完成させた。新たにゲノムの解読された沖縄株を含め、トータルの解析対象の株数を昨年度の約3倍に増加させた上で、欧州で開発されたchromosome paintingとfineSTRUCTURE(当初はヒトゲノム解析のために開発された方法)を、世界で初めて細菌のゲノム解析に応用した。その結果、従来の研究では見出されてこなかった、より細かな集団構造が明らかになると同時に、集団の垣根を越えた遺伝情報のフローの定量的な理解が可能になった(Yahara et al. (2013), Molecular Biology and Evolution)。 次に、英国に長期滞在しながら、細菌ゲノムの中で、自然選択が作用し適応進化に寄与している可能性の高い相同組み換えのホット領域を、100を越える多数のゲノムの塩基配列データから推定する方法の開発に注力した。系統樹に依存せず、クローンの存在に頑健で、相同組み換えの相対強度を一塩基単位で推定可能にするために、予めゲノムを順序付で並び替えた上でchromosome paintingを実行し、ゲノム平均に対する各サイトのコピー確率行列の乖離度を足し込む、というアイディアに基づいて、その開発に成功した。シミュレーションによる性能評価を行った上で、現実のゲノムデータに適用してその有効性を示し、オープンソースのプログラムorderedPainting (https://github.com/bioprojects/orderedPainting)として実装・公開した(Yahara et al. in press, Molecular Biology and Evolution)。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 病原細菌の次世代ゲノムワイド関連解析2013
Author(s)
矢原耕史, Guillaume Meric, XaviIer Didelot, Ana Vidal, Anne Ridley, Felicity Clifton-Hadley, Keith Jolley, Samuel Sheppard
Organizer
統計関連学会連合大会
Place of Presentation
大阪大学(大阪府)
Year and Date
2013-09-10
-
-
-
[Presentation] Genome-wide survey of homologous recombination and diversifying selection in a highly sexual bacterial species2013
Author(s)
Koji Yahara, Mikihiko Kawai, Yoshikazu Furuta, Noriko Takahashi, Naofumi Handa, Takeshi Tsuru, Kenshiro Oshima, Masaru Yoshida, Takeshi Azuma, Masahira Hattori, Ikuo Uchiyama, Ichizo Kobayashi
Organizer
Computational Molecular Evolution
Place of Presentation
Hinxton, UK
Year and Date
2013-05-03
-