2013 Fiscal Year Annual Research Report
単層カーボンナノチューブへの分子内包方法の確立と新規物性の発現
Project/Area Number |
12J00852
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本田 光裕 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / フラーレン / ラマン分光 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブへの分子内包方法装置を作製し、パラニトロアニリン分子を単層カーボンナノチューブへ内包した。単層カーボンナノチューブヘパラニトロアニリン分子が内包されたことを透過型電子顕微鏡およびラマン分光法により観察した。フラーレンC_<60>が単層カーボンナノチューブへ内包された時、フラーレンC_<60>は単層カーボンナノチューブ中へ隙間なく充填される。パラニトロアニリンおよびフラーレンC_<60>を内包した単層カーボンナノチューブ中にはフラーレンC_<60>間に隙間があることが透過型電子顕微鏡観察により分かった。パラニトロアニリンの分子量は小さいため、フラーレンC_<60>に比べてコントラストがつきにくい。よって、フラーレンC_<60>間にパラニトロアニリンが内包されていると透過型電子顕微鏡観察により推測した。パラニトロアニリンおよびフラーレンC_<60>を内包した単層カーボンナノチューブのラマンスペクトには、フラーレンC_<60>及びパラニトロアニリン由来のピークが見られた。よって、透過型電子顕微鏡測定およびラマン分光測定より、単層カーボンナノチューブにパラニトロアニリンおよびフラーレンC_<60>が内包されたと結論づけた。 単層カーボンナノチューブは、その直径が約1nmの円筒状の物質である。一方、パラニトロアニリンは1nmの半分以下の大きさである。単層カーボンナノチューブへ内包する分子の大きさがその直径に較べて十分小さい時、分子は単層カーボンナノチューブへ内包されやすいと同時に、単層カーボンナノチューブ外部へ出て行きやすいことを意味する。小さな分子を単層カーボンナノチューブ内部のみに留めておくことができたということは、これまで単層カーボンナノチューブ内部に留めておきにくいと考えられていた分子をも内包することができる可能性を示唆している。さらに、単層カーボンナノチューブ内部の完全な真空状態を利用した分子同士の純粋な相互作用の観察等、基礎研究にも大きく貢献すると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(1 results)