2013 Fiscal Year Annual Research Report
超高強度レーザーとプラズマとの相互作用により形成される導波路診断
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12J00858
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩脇 智行 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レーザープラズマ / レーザー核融合------------------ |
Research Abstract |
本年度は、大阪大学はレーザーエネルギー学研究センター、ロチェスター大学はレーザーエネルギー研究所において実験をおこなった。昨年度のプロトンバックライト法を用いた導波路計測からプラズマ中を伝搬する超高強度レーザーが比較的広い領域(数㎜)に弱い電磁場を励起するために、加えて導波路内部の電磁場によってプロトンが散乱するために、プロトンバックライト法によって密度勾配のあるプラズマ中を伝搬する超高強度レーザーの比較的大きな導波路の像を鮮明に得ることが難しいということがわかった。そこで大阪大学での実験では銅の特性X線を用いた計測、ロチェスター大学では短波長レーザー(λ=0.25μm)プローブを用いた計測を行った。これらの計測は昨年度から続けているものであり本年度もこれらの計測を継続しておこなった。特性X線による計測では昨年度計測を行う上で問題となっていた箇所を改善した実験を行った。未だこの手法で導波路を観測するまでには至っていないが少しずつ問題を解消することに成功している。また短波長レーザープローブを用いた手法では導波路を観測することに成功している。特に本年度は昨年度に比べて入射させる超高強度レーザーのパルス幅を長くして(最大強度を低くして)実験を行った。その結果、パルス幅が長い方がより高密度な領域までレーザー光が伝搬しているということがわかった。 また本年度もPICシミュレーションを用いた研究を行った。シミュレーションでは臨界密度プラズマ付近のプラズマ中を伝搬する超高強度レーザーが発生させる高速電子の放出角に関して、導波路内の強磁場構造(~500MG)がその放出角を抑制し、指向性の良い高速電子を発生させることを明らかにした。加えて、臨界密度プラズマ付近のプラズマ中を伝搬する超高強度レーザーのパルス先端におけるドップラー効果を含んだ相対論的臨界密度の低下がもたらす不安定性に関して調べ、臨界密度付近の伝搬を考える上で考慮すべき現象を提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた計測手法とは異なってはいるが、レーザーパルスのパルス長に依存する伝搬距離に関する実験結果を得ることができた。加えて、臨界密度付近のプラズマ領域をレーザー光が伝搬する際にレーザー光が受ける不安定性について提示した。また、このような領域を伝搬するレーザー光から発生する高速電子に関して高速点火核融合を考える上で非常に重要な発散角の抑制効果に関して定量的に調べることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
レーザーパルス幅に依存する伝搬距離に関する考察を行い、実験によって得られた結果の裏付けを行う。加えてこの裏付けの基礎方程式がその他の超高強度レーザーの伝搬に関するそれらと同一であるか確認する。同一であれば伝搬に特化したシミュレーションコードを開発し、実験によって得られた結果を実スケールで再現することを目指す。このような実験によってベンチマークされたコードを使用し、レーザー光の伝搬距離という観点から高速点火核融合に適したレーザー条件を提示したい。
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Research Products
(6 results)