2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規ハフニウム-ジアミド錯体の創成と触媒的sp3 C-H結合官能基化反応への応用
Project/Area Number |
12J00904
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴田 祐 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ハフニウム / アルミニウム / イットリウム / ジアミド錯体 / C-H結合活性化 |
Research Abstract |
本研究では新規前周期遷移金属-ジアミド錯体触媒の創製とその触媒的sp3C-H結合官能基化反応への応用を目的とし、検討を行った。 前年度、カチオン性4族金属錯体と等電子構造を有する3族金属-ジアミド錯体が種々のC-H結合活性化能を有することを見出した。特に置換ピリジンとの反応では、脱水素型C-H/C-Hホモカップリングが進行し、生成物である置換2,2'-ビピリジンにより架橋された、新規イットリウム二核錯体が得られることを見出した。本反応メカニズムを解明すべく、更なる検討を行った結果、ピリジンを基質として用いた際に、C-C結合生成における反応中間体であると考えられるピリジニル架橋イットリウム二核錯体が得られることを見出した。この知見から、脱水素型ホモカップリング反応では、ピリジン環の2-位のC-H結合が切断され、3員環メタラサイクルが生成した後に、二量化反応により二核錯体が生成していると推察した。一方、ベンゾ[h]キノリンを作用させると、10-位C-H結合が切断された5員環イットラサイクルが単核錯体として得られることを見出した。アルキルイットリウム-ジアミド錯体と2-フェニルピリジンとの反応においても、反応初期段階に同様の5員環メタラサイクルが生成していることがNMR解析により示唆されている。現在、これらのC-H結合切断の位置選択性と、反応生成物との関係について検討を行っている。また、本反応で得られたイットリウム二核錯体は2,2'-ビピリジンの脱離を伴い、還元剤として作用することが期待された。実際に、四塩化炭素やアゾベンゼンとの反応では還元反応が進行し、2,2-ビピリジンが生成することを確認した。アゾベンゼンとの反応では、還元されたアゾベンゼンにより架橋されたイットリウム二核錯体が生成することも見出している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イットリウム-ジアミド錯体を用いたピリジン類のC-H結合活性化を経る二量化反応において、反応機構に関する新たな知見を得ることができた。更に本反応生成物であるビピリジン架橋イットリウム二核錯体の還元能を調査した結果、種々の還元反応が進行することを見出した。
|
Strategy for Future Research Activity |
合成したジアミド錯体のC-H結合活性化能の基質適用範囲を引き続き検討するとともに、C-C結合生成反応、触媒的官能基化反応へと展開する。また、ピリジン誘導体の二量化反応における反応機構解析を詳細に行う予定である
|
Research Products
(13 results)