Research Abstract |
本研究の目的は, 構成的手法によりマルチモーダル発達メカニズムを理解することであり, そのメカニズとして, 主観的整合機構に基づくマルチモーダル情報の統合メカニズムを提案している, 本年度は, 提案メカニズムの実世界での検証のためのロボットプラットフォームの開発(A)と, 実ロボットの学習のための新たなメカニズムの構成に着手した(B). (A) 昨年度までの取り組みにより, 構造的には乳児と同様に発声可能なロボットを開発した. しかしながら, ロボットの発声は, 機構的には不十分であり, 実験プラットフォームとして用いるためには改良する必要があった. これに対し, 本年度は, 機構的な乳児様発声の実現を目指し, そのための機構として, 乳児の声帯の骨格構造を参考にした声帯機構を構築した, 一連の成果は, 国内外の学会において報告し, IEEE ICDL-EpiRob 2013においては, Best Poster Alwardを受賞した. (B) これまでの取り組みでは, マルチモーダル情報を離散的な情報として扱い, それら離散的な情報間の対応学習メカニズムとして, マルチモーダル発達メカニズムを構成した. しかし, 実ロボットにおいては, センサやアクチュエータなどの情報は連続であるため, 連続情報を離散化できるメカニズムが望まれる. また, 人においても, 視覚, 聴覚, 調音運動の情報は, 個別に予め概念化されているわけではなく, 発達とともに相互促進的に各モダリティの情報を概念化していると考えられる. そこで本年度は, 各モダリテイ内の情報の相互促進的な離散化とモダリテイ間の対応学習を同時に実現するメカニズムを構成し, 実ロボットを用いた学習実験により, その有効性を確認した. この成果は, 国内研究会において報告している.
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