2014 Fiscal Year Annual Research Report
マングローブ域における魚類生産メカニズムの解明:稚魚の成長速度と生残決定機構
Project/Area Number |
12J01078
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南條 楠土 東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マングローブ域 / 魚類 / 耳石 / 河口域 / 熱帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,熱帯のマングローブ域における魚類生産メカニズムを明らかにするために,着底稚魚の成長を支える餌起源や,稚魚の成長速度と生残の関係を明らかにすることを目的としている.平成26年度には,様々な体サイズのフエダイ類稚魚の成長に対するマングローブ由来の有機物の貢献度を炭素・窒素安定同位体分析によって調べ,さらに,魚食魚に捕食された稚魚と野外で採集した稚魚の成長速度を比較することにより,成長の速い稚魚ほど生き残りやすい(捕食されにくい)のかを検討した. 安定同位体分析の結果,ゴマフエダイ稚魚は体長150 mmまでは底生微細藻類由来の有機物を主に利用するが,それよりも大きい個体はマングローブ由来の有機物を利用することがわかった.一方,オキフエダイとニセクロホシフエダイの稚魚はいずれのサイズクラスにおいても底生微細藻類由来の有機物を利用していた.したがって,マングローブ由来の有機物はゴマフエダイのある特定のサイズクラスの個体の成長には寄与するが,他のフエダイ類稚魚には直接利用されないことが示唆された. 次に,魚食魚に捕食されたフエダイ類稚魚と同じ体サイズの野外採集稚魚の成長速度を比較するために,傭船による大型刺網(長さ300 m,高さ2 m)により,夜間にマングローブ域に来遊するオニヒラアジなどの大型魚食魚55個体を採集し,それらの消化管内容物を調べた.その結果,クロサギ類などはよく捕食されていたが,フエダイ類稚魚はわずかしか捕食されていなかった.被食稚魚の成長速度を野外稚魚と比較したところ,着底後の成長速度は後者においてわずかに速かった.分析個体数が少ないため,明瞭な結論を示すことはできなかったものの,マングローブ域では着底後のフエダイ類稚魚において成長速度に依存した生残過程が存在することが示唆された.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)