2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J01095
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村上 達也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 発達心理学 / アタッチメント / 児童期 / 愛着 |
Research Abstract |
本年度は、年次計画に従い,児童期における複数のアタッチメント対象に対するアタッチメントの質の構造に関する検討(研究1)および児童期における複数のアタッチメント対象に対するアタッチメントがその後の発達に及ぼす影響の検討(研究2)を中心に実行した。 研究1の目的は、児童期に複数のアタッチメント対象がいることを示した村上・櫻井(2010)の結果を受けて、複数の対象との関係におけるアタッチメントの質はどのような構造になっているのかを検討することであった。研究2の目的は、複数のアタッチメント対象との関係におけるアタッチメントの質は、どのように発達に影響を及ぼすのかを明らかにすることであった。 研究1、研究2の結果から、児童期のアタッチメントの質の構造が統合的組織化モデルで説明されることを繰り返し実証した。また、児童期における複数の重要他者との関係が、短期的にも長期的にも、後の適応を予測することを繰り返し実証した。これらの結果から、(1)児童にとって複数のアタッチメント対象との関係性は1つの抽象的な表象として統合されていること、(2)児童期に形成された、その抽象的な表象に対する信念は、短期的な発達結果のみならず長期的な発達結果を予測しうることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年次計画に示した研究計画よりも早くデータの収集が進んでおり、データ収集の関連から言えば、当初の計画以上に進展しているが、データ分析がいまだ十分に進展していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究3、4、5に関して推敲する予定である。既に調査予定の小学校からは調査の内諾を経ており、データの収集に関して大きな問題はない。現在、各調査に対する倫理審査の最中であり、倫理審査が終了した後、調査の実施に移る。データの収集後は、随時、各研究の成果をまとめ、発表していく予定である。
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Research Products
(4 results)