2012 Fiscal Year Annual Research Report
人のマルチモーダルな動作リズムを用いた人・ロボット協調作業
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12J01136
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
米倉 健太 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヒューマノイドロボット / マルチモーダル / 協調作業 |
Research Abstract |
【人の全身姿勢からヒューマノイドロボットの全身姿勢を入力するインタフェースの開発】 人によく似た姿形を持つ二足歩行ヒューマノイドロボットは,現在,人が使用している環境に特別な手を加えることなく人の代替として導入できることから,人と協調作業を行うロボットとして適している.しかし二足歩行ヒューマノイドロボットは,その自由度の高さから,安定した全身動作を作成することが困難であった.そこで,簡便なモーションキャプチャシステムであるKinectから得られたユーザーの全身姿勢をキーポーズに変換して,ロボットの動作作成支援アプリケーションChoreonoidに入力可能とすることで,専門的な知識や特殊なツールを使わずとも二足歩行ヒューマノイドロボットの全身動作を作成可能とするシステムを開発した.これは,提案書の年次計画で3年目に行うことを予定していたロボットの動作生成の一部に相当する. 【人とロボットの物理協調におけるロボットからのマルチモーダルなリズム提示が与える影響の調査】 これまでの研究から,人と人の協調作業中に,実験者から被験者に対してマルチモーダルなリズムの提示を行う実験をした際,被験者に視覚によるリズム提示をすると協調のスコアが有為に低下したという知見を踏まえ,人とロボットが協調する際も,ロボットから協調相手への視覚によるリズム提示は人との協調を悪化させる可能性があるという仮説を立てた,この仮説を裏付けるため,人・ロボット協調大縄回し実験システムを構築し,視覚的・聴覚的なリズム提示の有無における人とロボットの協調スコアを目標のリズムと実際の縄回しリズムとの角速度の誤差で評価した.実験の結果,仮説を裏付ける結論が得られた.これは,1年目に行うことを予定していた人の動作リズム抽出の一部に相当する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の「研究の目的」で示した,人・ロボット協調方策の一般化のため,協調時に人の動作リズムとロボットのそれを同期させるために,ロボットが人の視覚・聴覚・力覚といったモダリティにリズムを提示した場合の効果について検証を行い,そこで得られた知見を学会で発表できていること。また,実際に協調させるロボットの動作を作成するためのアプリケーションも開発し,実際のロボットで作成した動作の安定性を検証しており,その成果を学会で発表できていることから,研究はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で,人・ロボット協調作業時におけるマルチモーダルなリズムが人に与える効果が明らかにした.そこで今後は,一般的な人・ロボット協調作業をしている時の人の側のマルチモーダルな動作を,ロボットに搭載されたセンサにより検出し,そこで得られた人の関節角度や発した音,検出された力などといった多変量の時系列データを解析し,人の動作リズムを認識するアルゴリズムを開発する.さらに,ロボットの動作リズムを認識された人の動作リズムと同期させることで,人のマルチモーダルな動作リズムを用いた人・ロボット協調作業を実現し,交付申請書で示した,人・ロボット協調方策の一般化を行う.
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Research Products
(3 results)