2013 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝学的解析可能な多剤超感受性酵母の作製と薬剤標的分子・作用機構解析への応用
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12J01199
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
知念 拓実 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多剤超感受性酵母 / 12geneΔHS-iERG / Eudistomin C / 標的分子同定 |
Research Abstract |
昨年度薬剤膜透過性障壁のエルゴステロールの合成遺伝子であるERG6遺伝子のコンディショナル発現系を12geneΔHS株(薬剤排出系を除いた多剤感受性株)に導入し、薬剤を作用させる際にはERG6遺伝子を発現せず、遺伝子導入・胞子形成の際にはERG6遺伝子を発現する12geneΔHS-ERGを作製したことを報告した。 本年度は昨年度作製した多剤超感受性株12geneΔHS-iERGの胞子形成効率の検討を行い、その効率がERG6遺伝子発現条件下において12geneΔHSと同程度まで回復することを確認し、本株12geneΔHS-iERGを遺伝学的解析可能な「多剤超感受性酵母」として特許を取得した。 また多剤感受性酵母12geneΔHS株の有用性を示すため、本株を用いて標的分子が未知のEudistomin C (EudiC)の標的分子同定研究を行った。EudiCはホヤの一種であるEudistoma olivaceumから単離された抗ウイルス物質である。多くの製薬企業において抗ウイルス薬として開発されていたが、細胞毒性が強く、抗ウイルス活性と細胞毒性の分離が達成されなかったため、抗ウイルス薬としての開発は成功していない。一方で抗ウイルス活性と細胞毒性の標的分子は不明のままであり、これらが明らかとなれば抗ウイルス薬としての再開発の可能性が出てくる。そこで本研究では多剤超感受性酵母12geneΔHSを用いた遺伝学的解析により、EudiCの標的分子を同定することを目的とした。 親株であるBY4741と12geneΔHSのEudiC感受性を比較したところ、12geneΔHSは約25倍の感受性向上を示した。そこで12geneΔHSを用いて11株のEudiC優性耐性変異株の取得し、胞子形成を利用した4分子解析により同一変異による耐性グループ分けを行った。その結果、3グループの耐性変異グループが得られたため(YER1, YER2, YER3)、それぞれのグループのうち1株ずつを全ゲノム解析したところ、YER1遺伝子はリボソームタンパク質をコードするRPS14Aであることが明らかになった(東京農業大学の吉川教授との共同研究)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究目的とした多剤感受性酵母の作製とその応用に成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
多剤感受性酵母を用いて抗ウイルス物質Eudistomin C(EudiC)の細胞毒性標的としてリボソームタンパク質Rps14Aが同定された。しかしながらEudiCの作用機構の詳細は不明のままである。そこでEudiCの酵母や動物細胞のタンパク質合成に対する作用を検討する。 また海産由来の抗腫瘍物質IrciniastatinA(ISA)の酵母を用いた標的分子同定も本研究の目的としていた。しかしながら線虫を用いた研究によりISAの標的分子としてRpl41が他のグループにより同定された。そこで線虫で同定されたRpl41耐性変異が酵母ホモログにおいてもISAに耐性を付与するかを確認する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Terpendole E and its derivative inhibit STLC - and GSK-1-resistant Eg52014
Author(s)
Tarui Y, Chinen T, Nagumo Y, Motoyama T, Hayashi T, Hirota H, Muroi M, Ishii Y, Kondo H, Osada H, Usui T.
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Journal Title
ChemBioChem
Volume: (In press)
DOI
Peer Reviewed
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