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2014 Fiscal Year Annual Research Report

フランツ・ローゼンツヴァイクの後期思想に関する研究

Research Project

Project/Area Number 12J01224
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

丸山 空大  一橋大学, 社会学研究科, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsローゼンツヴァイク / ユダヤ教 / シオニズム / ドイツ / 正統派 / ブーバー / ブロイアー / コーエン
Outline of Annual Research Achievements

平成26年度は、課題「フランツ・ローゼンツヴァイクの後期思想に関する研究」の最終年度として、平成25年度までの研究の成果をふまえつつ、ローゼンツヴァイクの教育論と律法についての見方に特に着目しながら研究を進めた。まず、初期から晩年にかけてのローゼンツヴァイクの教育論の変遷を追った。このことを通して、ローゼンツヴァイクが宗教教育によって一人ひとりのユダヤ人がユダヤ人としての自覚を獲得するというプロセスを重視していたことが明らかになった。このことを彼は「ユダヤ人になるJudewerden」ことと呼んでいる。彼は、初期から晩年まで一貫して、近代の(ドイツ・)ユダヤ人は家庭において自然にユダヤ人としての生活習慣や心構えを獲得するということができなくなっているから、あらためて「ユダヤ人にな」らなければいけないと考えていたのだ。このように初期思想と後期思想の連続性が明らかになったことで、後期ローゼンツヴァイクの、初期思想に対する自己批判の要点がはっきりとした。この「ユダヤ人になる」というプロセスは、初期思想の一つの到達点である『救済の星』においては、観念的に、読書と思考を通した世界観の変容として理解されていた。これに対し、後期では祈りや宗教儀礼への参加という実践的な要素が重視されるようになるのだ。
しかし、このような儀礼の重視は、伝統的な正統派への退行を意味するのではないのだろうか。このような疑問を解明するために、ローゼンツヴァイクの思想を同時代の正統派の論客イザーク・ブロイアーと比較した。後期ローゼンツヴァイクとブロイアーは、律法の実践を重視することにおいて共通していた。しかし、前者においてはユダヤ人としての意識の獲得が律法の実践に先立つのに対して、後者においては逆に律法の実践を通してユダヤ人としての意識が涵養されると考えられていることがわかった。

Research Progress Status

26年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] ローゼンツヴァイクの回心譚を再考する2015

    • Author(s)
      丸山空大
    • Journal Title

      京都ユダヤ思想

      Volume: 5 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] フランツ・ローゼンツヴァイクとイザーク・ブロイアー ユダヤ人であるとはどういうことかという問いをめぐって2014

    • Author(s)
      丸山空大
    • Organizer
      日本ユダヤ学会(関西研究例会)
    • Place of Presentation
      神戸女学院大学(兵庫県)
    • Year and Date
      2014-11-29
  • [Presentation] Separate or United: Franz Rosenzweig and Isaac Breuer in the Early 1920’s2014

    • Author(s)
      Maruyama, Takao
    • Organizer
      Internationaler Kongress von Internationale Rosenzweig-Gesellschaft
    • Place of Presentation
      Goethe University Frankfurt(ドイツ)
    • Year and Date
      2014-10-28
  • [Presentation] 共生と離脱―ドイツの正統派ユダヤ人I.Breuerの場合―2014

    • Author(s)
      丸山空大
    • Organizer
      日本宗教学会
    • Place of Presentation
      同志社大学(京都府)
    • Year and Date
      2014-09-14

URL: 

Published: 2016-06-01  

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