2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J01252
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯淺 亘 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(DC1)
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Keywords | 結び目理論 / リー双代数 / 写像類群 |
Research Abstract |
本研究では、結び目と写像類群という二つの数学的対象に焦点を置いている。まず、結び目に関しては結び目群の安定交換子長を使った不変量の性質を明らかにすることを目標としている。写像類群に対してはGoldman-Turaevリー双代数を用いたJohnson準同型写像を通した研究に焦点を置いている。平成25年度の前者に関しては、研究手法、計算手法に新たな進展を見いだせずにいる。後者に関しては、平成24年度までの研究でGoldman-Turaevリー双代数の2-orbifoldへの拡張を行っていた。これに関してはリー代数としての拡張を行えることは分かっていたが、余括弧積の拡張はできていなかった、今年度においては同様の拡張を行ったChas-Gadgilの双曲的2-orbifoldへの拡張と同値なものであることが分かった。しかし、本研究における定義のほうがより広い拡張になっている。さらに、リー代数であることのより簡潔な証明を与えている。また、2-orbifoldの型も楕円的な特異点のみではなく、今までより広い特異集合をもつ2-orbifoldに関しても定義できることがわかった。特異点が楕円的なものだけの場合では、楕円的な元とそれ以外の元でリー代数の直和分解が行える。このリー代数を楕円的な元で割った空間に関しては余括弧積も拡張できることが期待される。これらの研究は写像類群におけるJohnson準同型写像の研究と非常に密接に関わっている。特に、Johnson準同型と被覆空間の関係を明らかにする観点において必要不可欠な研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標の一つとしていた結び目の安定交換子長に関しての研究は研究手法、計算手法の進展がなくほとんど成果が得られていない。しかし、写像類群の研究にでは2-orbifoldのGoldman-Turaevリー双代数に関して新たな進展やほかの研究との関係性の確認が取れた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、Goldman-Turaevリー双代数をリー代数ではなくリー双代数の構造まで2-orbifoldに拡張できるか確認をする。さらに、被覆空間とJohnson準同型に関してこれらの代数を用いて研究を進める。まずは超楕円的写像類群に関して研究を進める予定である。さらにAndersen-Mattes-Reshetikhin代数を用いてGoldman-Turaevリー双代数と写像類群の関係と同様の関係が見いだせるか検証していく。
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Research Products
(2 results)