2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヘミセルロースの誘導体化と高分子量化による高強度・高機能性プラスチックの創製
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12J01289
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ロジャース 有希子 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヘミセルロース / キシラン / グルコマンナン / カードラン / プルラン / エステル誘導体 / 生分解性 / フィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヘミセルロースをはじめとする多糖をプラスチックなどの材料として利用することを目的に、キシラン、グルコマンナン、カードラン、プルランなど様々な多糖を原料に用い、その誘導体の合成とその材料化を試みてきた。 今年度は、新たな機能性として生分解性に着目し、生分解性を有する多糖誘導体の合成とその酵素分解性の評価を行った。誘導体としては、セルロースアセテートを選択し、グルコース単位あたりの水酸基の位置を区別して化学修飾した位置特異的置換誘導体を合成した。セルラーゼを用いて分解性を評価したところ、6位にアセチル基を有さない2,3-O-セルロースアセテートの方が、同じアセチル置換度の2,3,6-O-セルロースアセテートと比べて高い分解性を示した。つまり、6位のアセチル化が酵素分解を阻害していることが示唆された。つまり、誘導体の構造により生分解性を制御できる可能性を示すことができた。 また、グルコマンナン、プルランなどの多糖のエステル誘導体の合成と構造解析、熱的機械的物性評価も引き続き行った。これらの多糖エステルは非晶性ポリマーであり、ともに熱プレスにより透明なフィルムを作成することができ、さらにその物性を置換度により制御できることがわかった。プルランエステルからはエレクトロスピニング法によりナノファイバーを作製することができた。グルコマンナンについては、異なる種類のエステル基を組み合わせた混合エステル誘導体を合成し、その置換度の比率によって得られた誘導体の熱的機械的特性を細かく制御できることが示された。 これらの研究を通じて、さまざまな多糖がプラスチックなどの材料として利用可能であることを示すことができた。今後さらなる発展が期待できる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)