2013 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの概日リズム制御におけるステロイドホルモンの機能の解明
Project/Area Number |
12J01444
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩谷 天 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 昆虫 / 概日リズム / ステロイドホルン |
Research Abstract |
昆虫の脱皮・変態を司るステロイドホルモンであるエクジソンが、成虫の概日リズムを制御する可能性についてキイロショウジョウバエ成虫を用いて検討した。 エクジソン生合成酵素遺伝子Shroud, Phantom, Disembodied, Shadow, Shadeが成虫脳内において異なる細胞にて発現していることを免疫染色にて確認した。また、定量PCR法でもこれらの遣伝子が成虫頭部で発現していることを確認した。Neverlandは、成虫頭部での定量PCRによる発現は認められたものの、抗体染色による発現細胞の同定まではできなかった。 幼虫期においては、すべてのエクジソン生合成酵素は前胸腺とよばれる内分泌器官の細胞で発現していることが示されている。しかし今回の成虫脳内における発現解析の結果から、単一の細胞においてエクジソン生合成酵素が発現しているわけではないことが明らかとなった。このことはショウジョウバエ成虫脳内におけるエクジソン生合成は単一の細胞内で行われるのではなく、エクジソン生合成の中間産物が脳内の細胞間を移動して、最終的にエクジソンへと変換される可能性を示唆している。 現在までにエクジソンがショウジョウバエ成虫において存在することは示されていたが、明確な生合成器官は卵巣以外では明らかにされていなかった。今回の研究は、ショウジョウバエ成虫脳内においてエクジソン生合成が行われている可能性を示唆する初めての成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生合成酵素遺伝子の発現を詰めることは出来たが、十分な機能解析にまで至れなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの生合成酵素SpookとSpookierに関しての発現パターンを調べる。生合成酵素遺伝子の発現が時計遺伝子の制御を受ける可能性について、時計遺伝子の変異体を用いた発現解析をおこなう。また成虫頭部においてエクジソンが生合成されているかについて、エクジソン定量キットを用いてその量を定量する。
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Research Products
(1 results)