2014 Fiscal Year Annual Research Report
可視光偏光観測による活動銀河核ジェットの加速・収束機構の解明
Project/Area Number |
12J01447
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹田 真人 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ジェット / 活動銀河核 / 可視光 |
Outline of Annual Research Achievements |
私が研究しているブレーザーは活動銀河核(AGN)の一種である。AGNの中にはジェットと呼ばれる相対論的なプラズマを噴出する天体もおり、このジェットを真正面に受けて観測している天体をブレーザーと呼ぶ。ブレーザーはジェットの相対論的効果によってジェットからの放射が卓越する。ブレーザーの大きな特徴に光度の変動が挙げられ、この変動はジェット内での放射領域の状態を表しており、光度変動からジェット構造を調べる。AGNは中心に太陽質量の10億倍にのぼる質量の巨大ブラックホールがあると考えられており、ブラックホールの直径は光の速さでも数時間かかる。この場合変動の時間スケールは原理的に最短でも数時間となるが、ブレーザーは分スケールの変動もしばしば見られる。これはジェットの相対論的効果によっていると考えられるが、この短時間変動の発生メカニズムについてはまだまだわかっていない。私はケプラー衛星によって取得された1分時間分解能で100日にわたる光度曲線データを用いてこの短時間変動のメカニズムについて調べた。光度曲線では短時間変動を195個検出することができ、これらをスタッキングし平均化した短時間変動の平均プロファイルを取得した。その結果、短時間変動の立ち上がりと立ち下がりの変動時間スケールは異なり、立ち上がりの方が早いことがわかった。これは実際にジェット内で高エネルギー粒子が粒子加速によって増加していることによって発生していると考えられる。これによってプラズマの塊同士が衝突し衝撃波を形成することによって粒子加速が発生し短時間変動現象が引き起こされていることが考えられる。これによりジェット内は非常に活動的であり、いたるところで衝撃波の発生による粒子加速が起こっていることを示唆する。この結果は名古屋で行われた国際シンポジウムで発表し、重要な結果として現在投稿論文にまとめている。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)