2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属気相選択成長法による異種基板上への半導体ナノワイヤ形成と発光デバイス応用
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12J01477
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池尻 圭太郎 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013-03-31
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Keywords | ナノワイヤ / MOVPE / 選択成長 / ポリシリコン / 成長機構 / InP / ドーピング / 結晶構造 |
Research Abstract |
本研究では、次世代の安価で高効率な発光デバイス応用に必要な基礎技術確立し、ナノワイヤ発光デバイスの作製を試みる。まず、半導体ナノワイヤのデバイス応用に不可欠な基本技術である不純物制御技術の確立を目指して研究を行った。同時に、ポリシリコン薄膜上の半導体ナノワイヤ形成をより高精度に行うために、ポリシリコン薄膜上の選択成長のメカニズムを克明に調べ、その成長技術を確立した。以下に本年度の具体的な研究実施状況を示す。 (1)本研究では、MOVPE選択成長法によるInPナノワイヤ成長中にDEZnによりZnドーピングを行い、成長構造の外観形状と結晶構造の評価を行い、成長方向が反転する双方向成長特性を発見した。さらに、成長温度や成長原料供給比などの成長パラメータによっても成長方向を同様に制御できる可能性を示し、シリコンのような無極性基板上にIII-V半導体ナノワイヤを成長させる際に、成長条件によって成長方向を制御可能であることを示した。 (2)ポリシリコン薄膜上のナノワイヤ成長を行い、成長過程の分析を行った。ポリシリコン薄膜を堆積させた基板を用いてGaAsのMOVPE選択成長を行い、六角柱構造のGaAsナノワイヤ成長を確認した。開口部には、ナノワイヤ構造の他に、ヒロック状の構造と成長が起きていない開口部があった。これらの成長構造の存在確率を、開口部の直径依存性と成長条件依存性について分析し、開口部とポリシリコン結晶粒のサイズの関係から成長構造の成長モデルに関して考察を行い、成長構造依存性の原理を解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、有機金属気相成長法をベースとした選択成長法により半導体ナノワイヤを作製し、それをLEDなどの光デバイス応用に結びつけることにある。その1年目となる本年度は、当初予定していたポリシリコン上のGaAsナノワイヤ成長とその成長メカニズムの解明は予定通り進捗し、大面積で安価な基板上にナノワイヤLEDを作製する上で基盤となる技術を確立した。この一連の研究成果をまとめた論文をNanotechnology(IF=3.98)に発表した。 さらに、前年度の研究で明らかになっていたナノワイヤの結晶構造遷移現象に対して実験、解析を進めた結果、結晶成長中にドーパントを供給することでナノワイヤ成長の双方向性が発現する条件を見出し、この結果をまとめた論文をNano Letters(IF=13.20)に発表した。この成果は、結晶成長条件によるナノワイヤ成長面の極性制御の可能性を示すものであり、特にシリコンのような無極性の材料を基板とした際のナノワイヤ成長制御にとっても、重要な知見であると言える。以上のことから、本研究は当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)GaAs/InGaAs、GaAs/AlGaAsヘテロ接合ナノワイヤに対して、発光特性を明らかにする。三次元的な構造に対する電極形成技術を確立し、最終的に、ドーピング制御技術を利用し、半導体ナノワイヤ内に形成したpn接合を利用した、電流注入型発光ダイオードの試作と評価を行い、発光特性を克明に調べる。 2)ポリシリコン薄膜上のナノワイヤデバイス作製技術を確立する。最適化した成長技術およびプロセス技術を利用し、活性層としてナノワイヤ中に円筒状の量子井戸層を設けるコアマルチシェル構造を持つ半導体ナノワイヤレーザを作製・評価する。最終的にはガラス基板上に堆積したポリシリコン薄膜上の電流注入型発光ダイオードナノワイヤアレイおよび半導体ナノワイヤレーザアレイを作製し、その特性の評価を行う。
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Research Products
(10 results)