2013 Fiscal Year Annual Research Report
超巨大地震発生機構の解明-大規模地震サイクルシミュレーション
Project/Area Number |
12J01480
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 真紀子 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 地震発生サイクル / 準動的 / シミュレーション / 地表面形状 / すべり応答関数 |
Research Abstract |
我々は沈み込み帯プレート境界における多様なすべり現象の相互作用の検証を。地震発生サイクルシミュレーションを用いて行っている。しかしながら、南海トラフと日本海プレートで発生する地震を同時に扱うような場合には、プレートが地表を切る深さが両者で異なっており、すでに存在する半無限弾性体を仮定した場合の解析解をすべり応答関数として用いることができない。そこで、本年度では主に、新たに地表面形状を考慮した準動的地震発生サイクルシミュレーション計算法の開発を行った。 Hok and Fukayama (2011)は全無限弾性体中に、断層面に加えて地表を仮想的に断層面として設定し、自由表面の条件を課すことで、動的地震発生モデルに地表の効果を導入している。この方法では地表面として任意の形状を扱う事ができる。そこで、彼らの方法を導入して境界が非平面な場合のすべり応答関数を数値的に求めた。実際にこれを計算するには、地表面グリッドを設定する必要があり、大規模計算には効率的に精度良くすべり応答関数を計算することが重要となる。断層面に対して単一の地表面をとるのではなく、各小断層に対して、小断層の深さで規格化したサイズ・粗さが同一の地表グリッドをとると精度を保ちながら効率的にすべり応答を求められることが分かった。 以上の方法で宮城県沖を仮定したすべり応答関数を作成し、準動的地震発生サイクルシミュレーションを行った。本方法で地表面を平面に設定したものと解析解を用いた場合はよく一致しており、精度よくすべり応答関数が作成できている。また、地表面形状の導入による断層面と地表との距離の変化がすべり応答関数に影響を及ぼしており、地震発生サイクルに影響を及ぼすことが分かった。またこの新しいすべり応答関数は、今まで用いてきた高速化手法をそのまま適用することが可能であり、今後大規模計算への導入が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を進める上で交付申請書に記載した内容とは異なる内容を主に行うこととなったが、今後南海トラフ及び日本海プレートで発生する地震を同時にシミュレーションするためには、プレート境界が地表面を切る深さが異なる場合も扱えることが必要である。本研究により任意の地表面形状を導入することができるようになり、以上の問題点が解消された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、任意の地表面形状を考慮した地震発生サイクルシミュレーションが可能となった。今後これを用いて、南海トラフおよび日本海プレートを同時に扱う大規模地震発生サイクルシミュレーションを行う。
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Research Products
(4 results)