2013 Fiscal Year Annual Research Report
MRIのmultiple-slice法を用いた内臓脂肪量の新たな評価基準作成
Project/Area Number |
12J01551
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
蘇 リナ 筑波大学, 体育系, 特別研究員(PD)
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Keywords | Multiple-slice法 / 内臓脂肪体積 / 内臓脂肪推定式 |
Research Abstract |
申請者は, これまでに肥満者における内臓脂肪量およびその変化を最適に評価できる部位を明らかにすると同時に, multiple-slice法により内臓脂肪量と心血管疾患リスクとの関連性を横断的および縦断的に検討してきた. 特に, 平成25年度では, 内臓脂肪の蓄積程度を最も正確に評価できる方法および推定式についても検討をおこなってきた. 応用研究として, 体重減少に伴う内臓脂肪の変化の評価方法の(臨床的)有効性検討するために, 内臓脂肪の評価方法により(体積vs. 面積)必要なサンプルサイズと効果量を比較検討した. その結果, 面積を用いて内臓脂肪の変化を評価する場合, 体積より効果量が小さく, 約3倍多いサンプルサイズが必要であることが明らかになった. さらに, 体重減少量が少ないほど, 多くのサンプルサイズが必要であることが示された. これらのことから, 評価方法や部位の違いは内臓脂肪の変化に異なる結果をもたらす可能性が示唆された. さらに, MRIのmultiple-slihce法により算出した内臓脂肪体積を妥当基準として, 身体計測項目に基づいた内臓脂肪量簡易推定式を作成したその結果, 最も説明力が高い推定式は矢状面直径, 胸囲, 年齢の組み合わせで作成された. さらに, 内臓脂肪体積, 内臓脂肪面積(L4-L5)および上腹部内臓脂肪面積(L4-L5+5cm)の妥当基準の違いが内臓脂肪量簡易推定式の説明力および精度に及ぼす影響を検討した結果, 内臓脂肪体積を妥当基準に用いることが最も望ましく, 1枚の面積を妥当基準とする場合は, 従来のL4-L5高位の内臓脂肪面積より上腹部内臓脂肪面積(L4-L5+5cm)の方がより精度が高い推定式の作成につながることが明らかになった. 以上のことから、内臓脂肪の蓄積量を評価する際には評価部位および方法について慎重に考慮する必要があると言える. また、今後臨床現場で活用可能な内臓脂肪体積のカットオフ値の検討の必要性が示唆された.
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(4 results)