2013 Fiscal Year Annual Research Report
静止立位および歩行開始の神経制御メカニズムに基づく運動機能リハビリ支援機器の開発
Project/Area Number |
12J01600
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 智久 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 姿勢制御 / 重心動揺 / 間欠制御モデル / 静止立位姿勢 / パーキンソン病 / すくみ足 / 立位姿勢の不安定 |
Research Abstract |
本研究では以下の2つの課題を行う. 研究課題1 : 姿勢の不安定化を示すパーキンソン病患者(PD患者)における間欠制御の崩壊が「すくみ足」(歩行開始の躊躇症状)の発生メカニズムの1つでもあるとの仮説を立て, 歩行開始のごく初期段階における重心移動や足関節筋の筋活動計測を行い, この仮説の妥当性を検証する, このようなPD患者の「すくみ足」の発生メカニズムの探求と立位姿勢および歩行機能の定量化とそれに基づく定量診断アルゴリズムの開発を行う(国立病院機構刀根山病院との共同研究). 研究課題2 : 使用者の負担を軽減する省スペースかつ簡易に計測可能なマーカーレスモーションキャプチャシステムと床反力計を組み込んだ簡易型立位・歩行機能評価/リハビリ支援システムの開発を行う. 平成25年度は, 研究課題1に関して, 昨年度から引き続き国立病院機構刀根山病院にてPD患者の静止立位および歩行開始における重心動揺や足関節筋の活動などの運動計測を行った. 加えて所属研究室内でPD患者と同様の運動計測を健常者に対して行った. 健常者の重心動揺データに対して, 先行研究などにより検討された重心動揺評価指標の指標値を算出した. その結果, 健常者の重心動揺パターンに共通する普遍性が存在することが示唆された. 研究課題2に関して, 昨年度検討したアルゴリズムを元にKinectとWii Balance Boardを用いて実際にシステム構築を行った. 具体的には, Kinectにより推定された姿勢をPC内に構築したヒトの全身の剛体リンクモデルに統合し, 剛体リンクモデルからZero Moment Point (ZMP)を計算する. 得られたZMP軌跡とWii Balance Boardにより得られた足圧中心点(Center of Pressure ; CoP)軌跡を比較し, ZMP軌跡がCoP軌跡に沿う, つまり力学的整合性を有するように姿勢を修正した. 研究課題1および研究課題2の成果を国内学会および国際学会にて報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続きPD患者および健常者の運動計測を順調に行うことができ, より多くの重心動揺データを蓄積することができた. またより精度よくマーカレスモーションキャプチャを行うためのアルゴリズムを用いて, センサを組み合わせた計測を行うことに成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
健常者とPD患者の重心動揺パターンをより詳細に分類し, 立位姿勢および歩行機能に基づく定量診断アルゴリズムの開発を目指すが, そのためには重心動揺パターンの個人差と被験者群における普遍性を定量化する必要がある. そこで重心動揺パターンの被験者群の違いを反映する指標と個人差を反映する指標を分けて検討し, これらの指標と専門医による運動障害に関する診断結果を照らし合わせた上で, 定量診断アルゴリズムの開発を行う. また開発中のマーカレスモーションキャプチャシステムの精度検証を所属研究室内の高精度光学式モーションキャプチャシステムを用いて行う.
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Research Products
(7 results)