2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属中における内部酸化を応用した酸化亜鉛ナノ構造体の作製
Project/Area Number |
12J01667
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 圭 北海道大学, 大学院・工学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 内部酸化 / ZnOナノ粒子 / TEM観察 |
Research Abstract |
本研究では、金属中における内部酸化を応用して、透明または単結晶基板上へ、発光特性に優れた酸化亜鉛(ZnO)ナノ構造体を高密度に分散・配列させることを目指し、1.内部酸化法により得られた酸化亜鉛粒子の発光特性評価と、2,透明基板上への酸化亜鉛ナノ粒子の分散について研究を遂行した。 1.母相をAgとし、Pd-Zn合金と同様の条件で内部酸化した。透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した結果、酸化温度による違いは見られず、Ag中に析出するZnOはほとんどが板状のウルツ鉱型ZnOであり、Pd中に析出する板状ZnOと同様であった。他方、極めて短い酸化時間では、Ag中でも準安定構造である閃亜鉛鉱構造を持つ微細なZnO粒子が観察された。これより、Ag中ではPd中と同様のメカニズムで析出・成長しているものの、ZnO粒子の成長速度は著しく速いことが推察される。このことは、母相がFCC金属であれば同様のメカニズムで析出することを示しており、母相金属をNiやCu等の安価な金属で代替することにより、材料コストを下げつつ発光特性に優れるZnOナノ粒子を作製できる可能性を示唆している。 2.アルミナ透明基板上へPd-Zn合金を製膜し、基板ごと700℃・1時間の条件で内部酸化をした。TEMにより薄膜内部を断面観察したところ、10nm程度の微細なZnO粒子が多数析出している様子が観察された。このことは、薄膜内部にZnOナノ粒子を多数析出させる内部酸化条件の最適化が達成できたことを示している。また、この薄膜の一部を電解研磨により溶解・除去したのち、走査型電子顕微鏡により薄膜表面を観察したところ、薄膜表面に露出した多数のZnO粒子が観察された。このことは、固相中でのZnOナノ粒子の作製の課題であるZnO粒子の外部への取出しが可能であることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内部酸化で母相金属中に析出するZnO微粒子のサイズ・形状・結晶構造については、TEM観察により解析し、調査を終えている。また、透明基板上へ製膜した合金薄膜中に析出するZnO微粒子の分布や、酸化条件の最適化についても十分な検討結果が得られた。発光特性の評価については、今後外部機関に出向いて調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果より、概ね研究計画通りに進行しているため、今後も計画通りに研究を遂行していく予定である。平成25年度は【単結晶基板上への酸化亜鉛ナノ粒子の配列】'について検討する。単結晶基板上に単結晶合金薄膜をエビ成長させ、接合界面に歪場をもった合金膜を成膜する。これを基板ごと内部酸化することで接合界面の歪場周囲にZnO粒子を優先的に析出きせる。母相金属中に析出した粒子については母相金属とともにエッチングにより除去することでZnOナノ粒子を規則配列させる。得られた粒子についてTEM-SEM観察及びフォトルミネッセンスによる発光特性評価を行う。発光特性の評価については学内外の機関に出向いて調査を行う。
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Research Products
(1 results)