2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経におけるユビキチンリガーゼKLHL7の機能と制御
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12J01779
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木越 悠 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分子生物学 / ユビキチン / 変性疾患 |
Research Abstract |
BTBタンパク質であるKLHL7の変異は優性遺伝型の網膜色素変性症を起こすことが近年報告されたが、その機能については未解明である。本研究員は、KLHL7が複合体型ユビキチンリガーゼを構成し、変異型KLHL7はそのユビキチン化活性をドミナントネガティブに抑制する働きがあることを明らかにしている。しかし、KLHL7の機能については不明であり、KLHL7を制御する機構の詳細はわかっていない。そこで本研究では、KLHL7の制御機構とその生理的役割を解析することを目的とした。 本年度はKLHL7の分子制御機構の解析と分解ターゲットとする基質候補や他の制御因子の探索を主な目標とした。 KLHL7の分子制御機構について、KLHL7と相互作用する新奇タンパク質の機能解析を行った。この新奇タンパク質はユビキチンリガーゼ活性を負に制御し、酸化ストレス応答に必須な因子の調節を行うことが明らかとなった。さらに、この新規タンパク質自身も酸化ストレスの制御を受けることから、ストレス応答経路に何らかの役割を持つということが示唆された。 その他、KLHL7の制御因子や基質タンパク質を探索するため、酵母ツーハイブリッドスクリーニングと相互作用タンパク質の質量分析解析を行った。幾つかの候補因子を取得したので、今後はこれらのKLHL7制御に対する役割や、KLHL7によるユビキチン化制御について検証して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的の一つであった、制御機構の解析は順調に進展した。もう一つの目的であった基質候補の探索や他の制御因子の解明については、候補タンパク質の取得に成功し、現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニングより得られた候補タンパク質の機能を検証することで、KLHL7の制御や機能を解明することを目指す。また、得られた分子機序の知見をもとに、今後は神経系におけるKLHL7の生理機能や個体レベルでの解析を目指す。
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Research Products
(4 results)