2013 Fiscal Year Annual Research Report
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12J01895
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
仁田原 翔太 東京薬科大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 鉄マンガンクラスト / 16S rRNA遺伝子 / 微生物生態系 / 古細菌 / アンモニア酸化菌 |
Research Abstract |
1. 研究の背景、目的について マンガンクラストは鉄とマンガンの酸化物を主成分とする鉱物である。マンガンクラストがコバルト、プラチナなどのレアメタル、レアアースを含むこと、日本の排他的経済水域中に広範囲に存在していることが知られている。そのため将来的に資源として開発することが期待されている。 私たちは、マンガンクラストの形成に微生物(例えば鉄酸化細菌やマンガン酸化細菌)などが関わっていると考えている。またマンガンクラストの海底面での膨大な広がりから、マンガンクラスト上に存在する微生物は物質循環に大きな影響を与えていると考えている。 本研究の目的は、マンガンクラスト表面の微生物生態系を明らかにし、マンガンクラスト形成と微生物との関係について明らかにすることである。 2. 研究の具体的内容、結果について 本研究では、拓洋第5海山と流星海山、大東海嶺、小笠原海台から採取したマンガンクラストおよび周辺堆積物、海水試料を用いた。それぞれのサンプルからDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子を対象としたPCRを行い、クローンライブラリーを作成した。シークエンシングにより塩基配列決定を行い、この情報を元に分子系統学的な解析、統計学的解析を行い、どのような微生物生態系であるかを決定した。また定量PCRを用いて、微生物存在量の推定を行った。 その結果、マンガンクラストと海水とでは共通している種がほとんどなかった。その一方堆積物と比較すると、マンガンクラストから検出された種のうち2~3割程度が堆積物と共通した種であった。また主座標分析の結果、マンガンクラストと堆積物とでは微生物生態系が異なっていること、またマンガンクラストは海山ごとに微生物生態系が異なる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2度の航海(NT13-05, NT13-13航海)に参加した。昨年度はそれらの航海で採取したサンフルの解析に取り組んだ。以前のデータと併せて分子系統学的解析を行なったところ、マンガンクラストと海水それぞれの微生物群集の違いについての知見が得られた。また微生物群集の多様性と環境因子との関連についても知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題はまだ未解析のサンプルについての微生物群集解析を行なうこと、またそのデータを元に環境因子との関連について考察することである。また機能遺伝子の配列情報と環境因子には関連があるという文献情報もあるため、それと同様の解析を行ない、微生物群集と環境因子との関連を明らかにしたい。
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Research Products
(3 results)