2013 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本のキリスト教系保姆養成機関における保姆養成の実態と特質
Project/Area Number |
12J02067
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
永井 優美 東京学芸大学, 連合学校教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Keywords | 教育史 / 幼児教育 / 保育者養成 / キリスト教 |
Research Abstract |
本研究の目的は、近代日本の幼稚園教員養成の実態と特質を解明し、日本における保育者観形成過程の一端を検討することにある。戦前の日本において保姆養成を主導的に担っていたキリスト教系保姆養成機関を題材に、保姆養成制度やカリキュラム、養成者側の意識を歴史的な史料を用いて分析することを試みている。本研究の主な成果は、2013年3月に提出した博士論文「近代日本キリスト教系保婦養成史」(東京学芸大学、2013年)の中でまとめた。本年は、博士論文でまとめた研究の継続・発展的調査と成果発表を主に行いながら、博士論文執筆の過程で生じた新たな課題について、国外・国内調査を行った。また、キリスト教系保姆養成史研究としての新たな事例研究にも着手した。成果発表については、博士論文の中でも取り扱った日本幼稚園連盟(JKU)が、わが国の保育者養成において果たした役割について、日本保育学会にて発表を行った。さらに、広島女学校附属幼稚園の保育カリキュラムに関して、日本カリキュラム学会にて発表した。それら両発表の内容は論文化しているところである。論文(図書の欄に記載)としては「J. マクドウェルの保育カリキュラム論―アメリカ進歩主義教育実践の導入―」を発表した。また、新たに、日本で最初の幼児教育留学生、甲賀ふじに関する調査を開始した。甲賀は日本女子大学附属幼稚園に勤務する以前にアメリカに3度留学し、幼児教育研究を深めている。甲賀についての先行研究は少なく、報告者の調査が進めば、戦前日本の幼児教育を担った日本人指導者の教師としての成長について解明することになろう。その基礎的研究を本年度において行うことができた。加えて、アメリカ人の婦人宣教師が日本の幼児教育・保育者養成に果たした役割が大きいことを博士論文で指摘したが、本年度は特に広島女学校附属幼稚園および保婦師範科に赴任したコードウェル・マコーレーについての調査を進めることもできた。 以上より、本年度は、昨年度の研究成果の上にさらに調査を重ね、幼児教育史研究領域において、保育者養成に関する研究を進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(4 results)