2013 Fiscal Year Annual Research Report
高スピン偏極強磁性窒化物のエピタキシャル成長とスピントロニクスデバイスの作製
Project/Area Number |
12J02075
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊藤 啓太 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 強磁性窒化物 / 分子線エピタキシー / XMCD測定 / CEMS測定 / スピントロニクス |
Research Abstract |
新たなスピントロニクス応用材料として、Co_xFe_<4-x>NとCo_xMn_<4-x>Nに注目している。本年度は分子線エビタキシー法により、srTiO_3 (001)基板上に高品質な強磁性窒化物薄膜を作製し、X線磁気円二色性(XMCD)測定と内部転換電子メスバウアー(CEMS)測定を用いて、ユニットセル中の3d遷移金属原子の原子位置について評価した。 Co_xFe_<4-x>N薄膜のXMCD測定とCEMS測定の結果から、作製したCo_3FeN薄膜のFeおよびCo原子は、Fe_4NやCo_4Nのように、IサイトとIIサイトの両方に存在することがわかった。また、第一原理計算の結果から、IサイトにCo原子、IIサイトにFeおよびCo原子が存在する理想とは異なるCo_3FeNでは、フェルミ準位における状態密度のスピン分極率(P_D)が低下する予想となった。これまでに不明確であったCo_3FeN薄膜のCo-Feディスオーダーについて、実験により明らかとなったことは大きな進歩であり、P_Dの絶対値が大きいCo_3FeN薄膜の実現には、Co-Feディスオーダーの低減が必要と判明した。 XMCD測定による、Mn_4NおよびCO_<0.8>Mn_<3.2>N薄膜に対する元素選択磁化測定の結果では、角型性が良いヒステリシス曲線が得られ、明瞭な垂直磁気異方性を示せた。Co_<0.8>Mn_<3.2>N薄膜のMnL_<2,3>吸収端でのXMCDスペクトルは、Mn_4N薄膜のMnL_<2,3>吸収端よりもブロードなシグナルとなったことから、CO_<0.8>Mn_<3.2>N薄膜のMn原子は遍歴傾向が強いIIサイトに入りやすい傾向が示唆された。CoL_<2,3>吸収端では明瞭でシャープなXMCDスペクトルが得られたことから、Co原子は局在傾向が強いIサイトに入りやすい傾向が示唆された。新材料であるCo_xMn_<4-x>Nについても、基礎物性の理解が進んだといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(6 results)