2012 Fiscal Year Annual Research Report
複数のCYP誘導剤併用投与によるラット肝に対する発がん修飾作用に関する研究
Project/Area Number |
12J02095
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
盛田 怜子 岐阜大学, 連合獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 肝発がんプロモーション / CYP誘導剤 / 酸化的ストレス / 核内受容体 / ラット |
Research Abstract |
本研究では複数のCYP誘導剤をラットに同時投与することにより、その誘発される肝発がんプロモーション作用に対してどのような修飾作用が発現するかについて分子病理学的に解析する。併用投与実験に先立ち、1)、2)の実験を行った。 1)オルフェナドリン(ORPH)の肝発がんメカニズム解析と肝発がん促進作用閾値を求める実験ORPHをラットに混餌投与し、肝臓におけるCYP誘導をreal-time RT-PCRで検索した。次にラット肝二段階発がんモデルを用いてCYPが誘導される濃度で投与を行いGST-P陽性巣を計測し、発がん促進作用の閾値を求めると共に、その発がん促進メカニズムを分子病理学的に解析した。その結果、CYP2B誘導剤であるORPHには肝発がん促進作用があることが明らかとなり、その機序には活性酸素種(ROS)の産生に伴う酸化的ストレスと、核内受容体(CAR)の核内移行の関与が示唆された。 2)フェノバルビタール(PB)の肝発がん促進作用閾値を求める実験 これまでの報告(Kinoshita et al.,2003)で明確にされている肝発がん促進作用と、ラットにPBを15~250ppmの濃度で投与した時のCYP2B誘導のレベルから、発がん促進作用の閾値を60ppmに設定した。 3)ORPHとPBの併用投与実験 上記で設定した閾値の用量を用いてCYP2B誘導剤同士のORPHとPBの併用投与実験を行った。結果、肝発がん促進作用の相乗的な増加が認められ、その機序にはROS産生に伴う酸化的ストレスの増加が関与していることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ORPH機序解明から閾値設定まで終了し、必要な情報を得ることができた。続けてORPHとPBの併用投与実験を実施、解析も順調に進み、論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通り、CYP誘導剤の併用投与実験とその結果解析を行っていく。 ORPHとPBの併用投与の結果をふまえ、PBとCYP1A/2B誘導剤であるピペロニルブトキサイドの併用投与実験を行い、肝発がん促進作用への影響を検索する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Liver tumor promoting effect of orphenadrine in rats and its possible mechanism of action including CAR activation and oxidative stress2013
Author(s)
Morita、R.. Yafune, A., Shiraki, A., Itahashi, M., Ishii, Y., Akane, H., Nakane, F., Suzuki, K., Shibutani, M., Mitsumori, K.
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Journal Title
The Journal of Toxicological Sciences
Volume: (In press)
Peer Reviewed
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