2012 Fiscal Year Annual Research Report
ネター多元環における導来同値とその不変量である自己移入次元の有限性に関する研究
Project/Area Number |
12J02105
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
古賀 寛尚 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 導来同値 / 傾斜鎖複体 / 傾加群 / 変異 / 自己移入次元 / ゴレンシュタイン次元 |
Research Abstract |
与えられた環(単位元を持ち結合律を満たす)の表現論的構造やホモロジー代数的性質を解明するにあたり、森田同値や導来同値の概念は極めて重要な役割を果たしている。二つの環が森田同値であるとき、ホモロジー代数的性質は同一であると見倣せるのである。導来同値は森田同値の導来加群圏への一般化として捉えることができる。森田同値ならば導来同値であることを注意しておく。導来同値に関して、様々な不変量が知られており、導来同値な二つの環はホモロジー代数的性質がかなり近い事が分かる。そのため導来同値を引き起こす傾斜鎖複体を多く構成し、それらについて考察することが重要であり、現在も活発に研究が進められている。その研究の一つに変異の理論がある。 本研究の目的の一つは導来同値を引き起こすネター多元環上の傾斜鎖複体及び傾加群の変異が起きるための必要条件及び十分条件を与えることであった。もう一つの目的は、導来同値の不変量である自己移入次元の有限性に関するもので、アルティン多元環に対して、両側の自己移入次元が有限であることと、任意の有限生成加群のゴレンシュタイン次元が有限であることが同値になるという星野の結果の両側ネター環への一般化を行うことであった。 本年度は、傾加群の概念を一般化する準傾加群の概念を提唱し、ネター多元環上でその変異が起きるための必要十分条件を与えた。また星野との共同研究により、星野の結果を両側ネター環を含む両側連接環へ一般化することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
年次計画一年目である本年度は、一つ目の目的に関して、ネター多元環上の傾加群の変異が起きるための必要条件及び十分条件について考察するという予定であったが、より一般の準傾加群に対して必要十分条件を与えることが出来た。二つ目の目的に関して、ネター多元環への拡張を行う予定であったが、より一般の両側連接環へ拡張することが出来た。これにより二つ目の目的は完遂された。
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Strategy for Future Research Activity |
一つ目の目的である変異に関しては、傾斜鎖複体への拡張を目指す。準傾加群の概念の一般化である準傾鎖鎖複体の概念についても考察を行う。 二つ目の目的は完遂されたが、ゴレンシュタイン次元の概念を加群の圏からアーベル圏へ一般化することが成されているので、そこでどの程度類似した結果が得られるか考察する。
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Research Products
(3 results)