2013 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ過程を考慮したダストの合体成長から探る系外惑星の多様性
Project/Area Number |
12J02120
|
Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
片岡 章雅 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 惑星形成 / ダスト |
Research Abstract |
生まれたての恒星の周りには原始惑星系円盤と呼ばれるガス円盤が取り巻いており、円盤中では1ミクロン程度の固体微粒子であるダストが合体成長し、最終的に惑星になると考えられている。このダストの成長過程は理論的に多くの問題を含んでいた。我々は、このようなダストの付着成長における内部密度進化に注目した。まずN体計算を用いて高空隙率ダストアグリゲイトの圧縮強度公式を定式化した(Kataoka et al. 2013a)。次に、これを用いて原始惑星系円盤における固体微粒子の内部密度進化を解析した。その結果、ミクロンサイズのダストからキロメートルサイズの微惑星までの固体内部密度進化を導出することに成功した。また、このダスト成長過程において、従来問題であったダスト落下問題・衝突破壊問題・跳ね返り問題を全て回避していることがわかった(Kataoka et al. 2013b)。すなわち、今回の研究成果は、従来の困難を全て回避した上で微惑星形成までの過程を追った初めてのひとつづきの理論である。本研究成果によって初めて円盤初期のダスト分布から最終的な惑星分布までを一貫して議論できるようになるため、惑星形成論に対して大きなインパクトがあると言える。 更に、このようなダスト成長のおこる原始惑星系円盤を電波望遠鏡で観測した結果の解析に参加し、その結果従来考えられていたよりも非常に遠方において微惑星が形成されている可能性が示唆された(Fukagawa et al. 2013)。このような観測結果を説明するような理論が求められている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画においては円盤中のガス流を考慮することによって微惑星形成できる可能性を検討していた。 それに対し、今回の研究成果は円盤中のガスの状態にかかわらず微惑星を形成できることを示した。より一般的に微惑星形成が可能であることを示し既に論文も出版しているという点で、研究は当初の計画以上に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度までの研究によって、内部密度進化を考慮することで原始惑星系円盤内で微惑星が形成できることを示した。しかし、実際に円盤内のどの位置で微惑星が形成できるか・及び形成される微惑星の分布については未解明である。そこで今後は円盤全体でのダストの合体成長過程を追うことで微惑星形成可能領域を明らかにする。この結果は、微惑星形成後の惑星形成の議論に応用できる。更に、ダストの成長過程は原始惑星系円盤の観測によって実証可能であるため、観測予測も同時に行い観測的実証を目指す。
|
Research Products
(12 results)
-
-
[Journal Article] Local Enhancement of the Surface Density in the Protoplanetary Ring Surrounding HD 1425272013
Author(s)
Fukagawa, Misato ; Tsukagoshi, Takashi ; Momose, Munetake ; Saigo, Kazuya ; Ohashi, Nagayoshi ; Kitamura, Yoshimi ; Inutsuka, Shu-ichiro ; Muto, Takayuki ; Nomura, Hideko ; Takeuchi, Taku ; Kobayashi, Hiroshi ; Hanawa, Tomoyuki ; Akiyama, Eiji ; Honda, Mitsuhiko ; Fujiwara, Hideaki ; Kataoka, Akimasa ; Takahashi, Sanemichi Z. ; Shibai, Hiroshi
-
Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: 65
Pages: 14
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-